入院前の荷造り
私はあまり旅行に行かない。
お泊りが好きではないというか、家が落ち着くというか、心配性すぎて準備やプラン考えるだけでお腹いっぱいになっちゃうというか、地図読めないから迷子で疲れちゃうというか、理由をあげればいくらでも書けるが、行ったら行ったで楽しめちゃうから嫌いなわけではない。好きな音楽聴きになら、アウトドアフェスには行くこともあるので、旅が嫌いなわけではない。すなわち、ただのめんどくさがり屋なんだろう。
今週入院する。2泊3日の検査入院。旅慣れてない私は今、その準備をしている。実にめんどくさい。荷造りがめんどくさい。
そもそもボストンバックを持っていない。キャリーカートもずっと買い換えたいと思っているくらいボロボロで穴が開きそうで使いたくない。入院が決まった段階から、カバンが気にかかっていた。
買おうかな。どうしようかな。
結局予算と買い物に出るのもおっくうになってしまい、家にあったグレゴリーのダッフルバックのポニーサイズをちょっと横長にしたような、まだロゴマークがリニューアルされていない当時に買ったカバンとリュックに詰め込むことにした。入院なのにこのカバンか。まぁ仕方ない。
大きいものから詰めていく。
病院から渡された入院のしおりに「室内履き(スリッパ不可。かかとのある滑りにくいもの)」とある。
靴まで持参かよ。いや、でもスニーカーは靴下なしで履くのはためらわれる。私は石田純一ではない。するとサンダル?
ヒールのあるサンダルは病院には合わない。となるとかかとの平らな、ビーチサンダル?だめだ。かかとがない。
買おうかな。どうしようかな。
入院なのに、なぜ買い物の悩みが増えるのか。泊りはやっぱりめんどくさい。そんなことを思いながら眺めた靴箱で見つけたのはKEENのサンダルだった。かかと、よし!滑り、にくい!完璧じゃん。うれしくなった私は、そのKEENをグレゴリーに詰め込む。
続いてお風呂入れなかったり、痛くて歩けない時のためにドライシャンプーや洗顔シート、眠れないと嫌だからアイマスク……どんどん詰め込む。一日を想定しながら荷物を用意していく。うん。実にめんどくさい。
そして詰め込んだ持ち物リスト。
・保険証と診察券
・書類
・入院預り金(現金っていうのがわりとめんどくさい)
・印鑑(なくさないようにしないとな)
・お財布
・スマホ
・スマホ充電器
・洗面用具
・歯ブラシ
・歯磨き粉
・コップ
・洗顔フォーム(泡で出る全身タイプ。ボディーソープも兼ねた)
・シャンプー、トリートメント
・ヘアブラシ
・ドライシャンプー(お風呂入れないときに)
・洗い流さないトリートメント(寝ぐせ直しにも使えそう)
・ドライシャンプー
・ヘアゴム
・ターバン(洗顔するときにも使える)
・ヘアピン
・洗顔シート(メイク落としも可のものと、化粧水とかはいってるだけのものはお風呂入れないときにも使えそう)
・鏡
・化粧水、乳液
・化粧品(簡単なお粉と、アイブロー、ビューラー、マスカラ、グロスくらいでいいかな)
・リップクリーム
・マスク
・下着
・靴下
・室内履き(これがKEENのサンダル)
・パジャマの上に羽織る洋服(ジッパー付きのスウェットでいいか)
・ティッシュペーパー
・イヤホン(テレビ用と書かれてあったが、YouTube見る時にも使うので、イヤホンの延長コード1mも用意)
・フェイスタオル
・本
・メモ帳
・ペン
・PCと充電器(一応ね)
・ビニール袋(汚れもの入れる用)
・飲み物用のコップ
・眼鏡と眼鏡ケース
・サコッシュ(貴重品持ち歩き用)
※パジャマとタオルはレンタルすることにした。
これらを詰め終わって、そして気づく。
あれ?フジロックの荷造りと同じじゃない?雨具がないだけじゃない?
今週私は入院する。2泊3日の検査入院。グレゴリーのバック片手にアークテリクスのリュック、パタゴニアの小さなウエストポーチをサコッシュ代わりにぶら下げて病院に行く。決してフェスに行くわけではない。
ちゃんと検査をしてくる。肝生検のあとは数時間絶対安静という話も聞く。一つの検査に2泊3日というのも大げさというか、退屈そうというか。
いくら退屈だからとはいえ、かつてフジロックで見たBeckさんのテーブルセットステージのように、音を奏でるのも病院ではやめておいたほうがいいんだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?