
山田詠美「私のことだま漂流記」感想~心の贅沢ご褒美本を読もう~
私のようなイモっ娘には、まだ早い!と、手が出せなかったエイミー姐さん本。
大人になってからはじめて読んだのが『学問』
なんじゃこりゃー!
面白いし、目から鱗がぽろぽろだよ。
世間の大人たちが唱える道徳とは違った、「生」と「性」は地繋がりだよ、と教えてくれている。
その後、遅まきながらエイミー姐さんの本を読むようになった。
わたしの価値観を変えてくれたエイミー姐さんの半生を綴った本格自伝小説と帯にはあったが...エッセイ本を読む。
私は、この自伝めいた話を書き進めながら、自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした言霊の正体を探っていこうと思う。ーー山田詠美
憧れの宇野千代さんも連載されていた新聞の連載をまとめたエッセイ。
文学少女だった幼少時代に夜の営みを知ったのは母の婦人雑誌。
だが、ヘルマンヘッセの「車輪の下」の一節の方が、よっぽどそそると感じるエイミー姐さん、さすがっす。
はい、ついていきまーす。
えっ?エロ漫画家としてデビューしたの。
多才だね♡
で、「熱血ポンちゃんシリーズ」ポンちゃんの謎が解けたー!
ポンちゃんと呼ばれているのは、古い友人たちが使う私の呼び方だ、私がおなかのことをポンポンという幼児語で読んでいたことから、当時つきあっていたマック親子がつけた。
なるほどー。
だからポンちゃんね(^_-)-☆
宇野千代だけでない昭和の文豪たちとの交流話とか豪快で、自慢っぽさも良き。
そしてやっぱりこの話題は外せない。
黒人男性との交際とスキャンダルからの誹謗中傷話に、直木賞受賞エピソード話などなど。
あと、エイミー姐さんの名言も外せないYO!
・「権威であることと、権威的であることは、ぜーんぜん、違う!」(本文より)
・私は、漠然とした優しさよりも「親切な人」が好きだ。(本文より)
わかる、わかる(⋈◍>◡<◍)。✧♡
🍸🍸
エッセイを読みエイミー姐さんに触れたので、小説が読みたくなった。
そういえば初期の作品は読んでなかったな。
読みたーい。
ってことで、直木賞受賞作『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』を読む。
ソウル・ミュージックの名曲タイトルを冠した8つの短篇からなる、極上の恋愛小説集。
黒人の男女の恋愛物語。
クールでイカす男と女の刺激的な会話やおしゃれなエロさが心地よいし、男女の心の強さと弱さの心理描写がたまらなくわかりみー。
とくに男のほっとけなさったらないわー。
そして、<あとがき>がサイコーに良き。
・「ひとりの男を愛すると三十枚の短編小説が書ける。この法則を私は最近知った」(本文より)
色恋沙汰なんて生活するには役に立たない。
でも...。
・役に立たないこそ贅沢である。私は心の贅沢を知っている男や女が大好きだ。(本文より)
心の贅沢ご褒美がほしくて、今日も本を読んでるんだな。
エイミー姐さんに、また一つ教えてもらったわ。