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鹿子裕文「へろへろ」感想~どげんかした人々の物語~
投稿画像を見て、もしや...oliveさんあなた...。
「いわた書店」一万円選書に当選したのーーー!
おめでとう🎊
胸の前でパチパチパチと手を小さく叩いてくれた人たち。
勘違いさせてごめんなさい、違うんですよ。(応募もしてないので当選もしません(;'∀'))
当選した方たちが紹介されている中で、よく見かける作品だったので、内容もよくわからないのに面白いだろうと手に取った一冊。
そこで、はじめて文庫本のあらすじを確認する。
熱くて型破り、超個性的な人々が、前代未聞の特別養護老人ホームの開設を目指し、あらゆる困難を、笑いと知恵と勇気で乗り越えていく実録痛快エッセイ。
ふむふむ。
介護施設でのふれあい感動話なの?
むむむっ、ちと違う。
これは、特別養護老人ホームを建てようとした人たちの『金』集め奮闘を描いた、テンション高め語り口ノンフィクション作品だったYO。
🏠🏠
売れっ子じゃないひまっ子のフリー編集者の著者が、「宅老所よりあい」の雑誌を作ってほしいと依頼されたことからはじまる。
デイサービスだった「宅老所よりあい」を特別養護老人ホームを建てることにする。
コンセプトは、「老人ホームに入らないで済むための老人ホームを作る」
そのためには金がいる!
行政の補助金だけでは足りない。
足りないお金はどうする。
「世の中には、もらっていいお金と、もらっちゃいかんお金がある!」政治家等からの支援を受けずに、カフェをやったりバザーやったり、あの谷川俊太郎を巻き込んでチャリティイベントで金集め。
もちろん、著者編集雑誌「ヨレヨレ」もだ。
休みらしい休みもとらずに、手弁当で頑張る職員さんたちもいれば、辞めていく職員さんもいる。
私は辞めていく職員さんたちの気持ちがわからないでもない。
続けていくことのむずかしさ。
理想だけではできない温度差みたいなものがプレッシャーとなって押しつぶされそうな小さい人間だもの。
でも出来ることはある。
本書を読めば触発され、その思いが強くなる。
ケ・セラ・セラ~なるようになるわ~
人生一人じゃうまくいかない、一人の力じゃ冷蔵庫を動かすのだって大変だけど三人ならどうだろう。五人ならどうだろう。十人ならどうだろう。冷蔵庫は宙を舞うかもしれない、何事も一人でやろうと思うからいけないのだ。みんなでやればいいのだ。(本文より)
みんなの力で、建たないと思われた特別養護老人ホーム「宅老所よりあい」が完成したのだから。
一万円選書に選ばれているに納得。
何事においても触発される意味を問い、出来ることを考えるきっかけとなる一冊だった。