柚月裕子「教誨」感想~「約束は守ったよ、褒めて」を共に探す一冊~
金木犀の香りが、今年も秋祭りがやってくると教えてくれる。
地元の秋祭り。
一昔前は男の祭りだったが、今では女性も参加するようになったようだ。
表舞台に参加する女性もいるが、まだまだ女性は裏方なのかな。
お祭りに参加する人たちの食事の支度を担っている。
女は裏方という古い因習が、今でも残っているのもたしか。
子どもの頃は当たり前だったのでわからなかったが、今は振り返ると思う...秋祭りにみる「村社会」
しきたりを守りながら、よそ者を受け入れようとしない「村社会」
よそ者がお祭りの参加するのを良しとしない風潮?
今では変わってきてるのだろけど。
わたしが子どものころは受け入れいなかったよな...。
本書を読み、そんなことがぼんやり思い出した一冊。
我が子も含む女児二人を殺め死刑因の三原響子の遠縁にあたる吉沢香純と共に読み手も、響子が残した最期の言葉。
「約束は守ったよ、褒めて」の真相を探す。
典型的な封建的な考えの父親になにも言えない母親のもとで育った響子は自己肯定感が低い子に育ち、学校でもいじめられ、大人になると男たちから都合がいい女にされてしまう。
私も、男尊女卑が激しめの村社会に育ったので、響子の生い立ちを読むと、わかるし悲しみも憤りも感じるし同情もする。
だが、モヤる。
村社会が悪いから加害者になってしまったような読み方をしてしまう私が間違ってるのか...。
人を殺めるとこととそれとは別なのでは?
そして、物語のキーワードでもある「約束」
いちばんの盛り上がり場面でもあり、知りたかった「約束は守ったよ、褒めて」の真相に、えぇぇぇーーー!(゚∀゚llll)
正直モヤって、疑問が残る読了だったのが残念。