人気作家さんの短編集を面白く読む方法
☆趣味はなんだね?
もう書くことないだろうけど履歴書を書くとしたら、趣味・特技の欄にはベタだが「読書」と書く。
本当に趣味だから。
知らない世界や思わぬ生き方に触れることができる、一人で楽しめるサイコーの娯楽が読書。
国語のテストに挑むわけではないので、作者の意図を読み取ることに囚われなくてもいいし、何を思うのかは自由だよね。
ということで、今をときめく人気作家さんお二人の短編集を読み、わたし流の読み方?を伝えたーい(⋈◍>◡<◍)。✧♡
☆簡単あらすじ
読んだ本は、
「うたかたモザイク」一穂ミチ
「あなたはここにいなくとも」町田そのこ
ミステリー用語に、イヤミスとかクローズド・サークルとかダイイングメッセージとか...ありますよね。
☆「うたかたモザイク」をミステリー用語でたとえると…。
今回の二冊は、ミステリー小説ではないがミステリー小説に例えるなら、「うたかたモザイク」は『叙述トリック』かな。
叙述トリックとは、読者の先入観を利用した仕掛けを用いてミスリードする小説技法。
本書は、バリバリに先入観を仕掛けてきてるYO!
たとえば、
・「人魚」
わたし人魚なのよね、恋人に告げる女性。
人魚って?と疑問を抱かせて真相へと。
そうきたかー!ラブだね♡
・「レモン」
ストーカー気味の彼氏から、世間知らずだから俺が守ってやると言われる女性。
キモイぞ!ストーカー彼氏と思わせ、本当に世間知らずだったのは!!
そうきたかー!ぞわっ。
・「神さまはそない優しない」
猫に生まれ変わった夫と妻の物語。
関西弁をおちょくるように喋る猫に生まれかわった夫。
おもろいおっちゃん猫にように見せかけて、夫(猫)はなぜ死んでしまったのか?
そうきたかー!で涙。
そうきたかー!話だけではないけど、sweetやspicyやbitterな、そうきたかー!話を楽しめた一穂さんの短編だった。
☆「あなたはここにいなくとも」をミステリー用語でたとえると…。
「あなたはここにいなくても」は『倒叙ミステリー』かな。
倒叙ミステリーとは、物語の出だしで犯人や犯行の様子を明かす。
物語の最初で様子が明らかにされる。
ほら、ミステリーだと最初に犯人が明らかにされる「古畑任三郎」とか「刑事コロンボ」とか。
たとえば、
・「おやつのよる」
昼間から酒を飲んでる父、スロットにハマる母に愛人のいる叔父。好きなひとに見せられない家族たち。
冒頭で小学生時代の主人公が「ごちそう」何かって聞かれ、鶏皮のすき焼きと答え笑われる。
すき焼きには鶏皮がフツーだと思っていた主人公が世間との違いをはじめて知った日。
最初に明かされる鶏皮が、このお話をすこぶる面白くさせている。
じわじわくるねぇー!鶏皮🐔
・「入道雲が生まれころ」
ある日突然にスイッチが切れたように人間関係をリセットしたくなる女性。
早々に「リセット症候群」なる病名が明らかになる。
自分と同じような症状を持った、戸籍も抹消されたおばあさんが亡くなった。
おばあさんは不幸だったのか?
じわじわくるねぇー!記憶の思い出。
じわじわくるねぇー!話だけでなかったが、残りの作品もあなたがここにいなくても、心に、記憶に残る優しい町田さんの短編集だった。
☆わたし流のたとえはどうでしたか?
無理くり&こじつけミステリー風で楽しんだわたし流の読み方は。
そんな読み方できるのー。
いやいや、ちがーう!ぜんぜん違いますからー!
遠くから聞こえてくるようだが、読書は楽しめばいいのだ(^_-)-☆