窪美澄「ルミネッセンス」感想~色の違う「くらさ」を覗かせる一冊~
暗い
昏い
冥い
闇い
晦い
昧い
矇い
幽い
「くらい」と読める漢字を探してみた(←同訓意義)
こんなにあるんだー。(←もっとあるのかな?)
意味は、光が少なくて物がよく見えないとか、物事がはっきりしないとか、道理がわからないとか...。
うんうん、「くらい」といえばのイメージ通り。
で、|||(-_-;)||||||どよ~ん顔、陰気な顔、泣き顔...を連想させるのも「くらい」
本書は、色の違う「くらさ」を覗かせ、舌の上では苦み、えぐみ、渋みが合わさり何ともいえない気持ちになるが、その絶妙さがクセになる一冊。
同窓会で再会する50代の男女。
建物50年もたてば、外見ではわからない劣化が進んでいる。
人間も同じ。
知らぬ間に、心も体もあちこちがガタついている。
同窓会で再会した者たちに連鎖するように、道理のわからない
「昏い」「冥い」「闇い」モノに読み手も足を取られぬかるみへとはまっていく。
最近は穏やかな窪作品を読んでたので、本書で久しぶりに味わえた窪流のダークさが好きだった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?