読書記録③:『地下室の手記』
読むまでの間
この本は結構気楽な思いで買ったことを記憶している。一昨年の夏にまでさかのぼるが、眼鏡の新調ついでに寄った、ちょっとした書店に置いてあったのが出会いだった。『地下室の手記』なんていういかにもじめじめして陰鬱そうなタイトルを見て、「お、いいな」と思ったまま買い物かごにぶちこんだ。
しかしまあ、そこから実際に本を開くまでの間に随分と時間が経ったもので…これは本当に自分の汚点だが、一冊買って、読み終えて、また一冊買う──そんな流れには到底耐えられない。例えば本を3