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【コラム】キズナアイ、スリープの明日を見つめて③――〝オリジナルはやがて眠る

キズナアイの曲に「Sky High」という名曲がある。

原始の海、君は君になるのさ
欠片を生み、呼吸をして
君だけのスタイル
オリジナルはやがて眠る
受け継がれた遺伝子が
雪のように降る

キズナアイ「Sky High」歌詞より

2019年7月に発表されたこの曲は、Yunomiが作詞作曲を担当しているのだが、まだその時はあの分人騒動の最中にいただろうことを考えると、預言的にも予告のようにも聞こえ、複雑な歌詞であるとも考えられる。
なぜキズナアイは眠りについたのか。そのハッキリとした答えは、ラストライブの中にあったか。それはそれぞれの受け取り方次第だろう。

さて、コラムシリーズ『キズナアイ、スリープの明日を見つめて』。第2回まではキズナアイの分人騒動からスリープ発表以前をActiv8、Kizuna AI株式会社の動向を中心に解説してきた。

今回の第3回は、キズナアイが眠りにつくまでを振り返る。

キズナアイスリープ発表

改めてスリープ発表について解説する。12月4日、キズナアイはチャンネル解説/活動5周年を記念とした配信の中で振り返りなどをしつつ、重大発表をすると告知していた。
配信では年表や過去のライブ映像を配信をみせ、「本当に今日重大発表しないといけないの」という発言の後にまず「Kizuna AI The Last Live “hello,world 2022”」を発表。
そして、「スリープします」という発言を基に無期限活動休止することが明かされた。
キズナアイ曰く、ずっと前に決めていたことらしく、もっと人間と繋がるためにアップデートをしたく、スリープするとあくまで前向きであることを強調していた。

このラストライブとスリープの発表後はVTuber業界もかなりざわついていたことを覚えている。
ただし、「VTuber業界が終わる」という終末論があまり見られなかった印象に筆者はあり、それだけに前回も触れたキズナアイの低迷を感じており、業界全体への影響は軽微と感じていた層はある程度いたのではないかと思う。

Kizuna AI The Last Live “hello,world 2022”出演者募集/クラウドファンディング

12月27日、ラストライブに出演するVTuberやバーチャルライバーなどを募集する旨の発表がされた。

結果的にラストライブでは、3D、2D、フィジカル系、AITuber、マスコット、VSinger等々ほぼすべてといっていいだろう、VTuberの要素をライブにそろえ、6,567人の中から1,809人が出演することになった。このうち数百人はREALITYのアバターが選ばれた。

また、ファンも参加できるようにと声を募集する企画も実施。実際にライブで使用された。

ラストライブに向けたクラウドファンディングも発表。リターンにはラストライブのBlu-rayとライブ音源が含まれており、こちらの2つを目的とした支援が多かった。クラウドファンディングはBlu-rayの制作費やライブの広告・制作・運営などに使用された。

※お詫び:当初内容に齟齬がございました。大変申し訳ございませんでした。

キズナアイチャンネル登録300万人へ

12月7日にチャンネル登録数が300万人を突破した。
これは中国のファンたちが結集し、スリープ前のプレゼントとして行った結果成功。今回の結果につながった。

ATOM TOKYOにサプライズ出演

渋谷の陽キャ系のクラブであもるATOM TOKYOにて、12月25日にキズナアイがサプライズ出演。プロデューサー兼レジデントのDJ TORAが制作したキズナアイの新曲「never stop my beat」が公開された。「大切な思い出 輝き続け消えたりしない」といった最後にふさわしい歌詞が含まれている。

loveちゃん復帰

1月29日にloveちゃんが復帰。2021年7月から体調不良をきっかけに休止をしていた。

四天王3人でコラボ

この頃はキズナアイのスリープを記念して、三人でコラボなどをする機会があり、歴史に残るような企画がいくつか行われた。
また、現在ミライアカリは活動をしていないため、それを考えても貴重さがましている。

「明日を見つめて」

筆者が好きなキズナアイの動画の中に輝いた、キズナアイのラストライブ前の最後の挑戦はスタッフたちと一緒にキャンプに行くことだった。
物理的にモニターを運び、バッテリーを交換することで撮影するスタッフのパワフルぶり。まるで「水曜どうでしょう」のようなテイストも感じる演出も面白く、さらに朝日を見る彼女たちの様子には感動で涙が出てくる。

各関連メディアでのインタビュー

ラストライブ前には各メディアで最後のインタビューが行われた。

ラストライブ前最後の交流

ラストライブ前日には、ファンとの最後の交流となる生配信が行われた。その中でキズナアイの絆を繋げていく#kznが先行して発表された。#kznはCeVioAIによるキズナアイの歌声を合成音声にしたライブラリであり、この配信前にはすでに謎のアカウントが作成されていた。

ラストライブ開催

そして2月26日にライブを開催。キズナアイは23:59をもってスリープをした。それまでこれまで交流のあったVTuberなどに返信し、最後にはファンにLINEを送り、姿をくらました。

さて、この続きについてはPANORAさん、KAI-YOUさんで寄稿させていただいた内容も確認いただきたい。次回の『キズナアイ、スリープの明日を見つめて』はこれまでまだ紹介できていない『絆のアリル』やv-αliveなどを紹介する。

本コラムシリーズはしばしの間休載いたします。重ね重ねにはなりますが、この度は大変申し訳ございませんでした。


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