キズナアイの画像は如何にしてWikipediaに掲載され、削除を逃れたのか
さて、この記事は前回書いた「なぜVTuberや企業のロゴの画像はWikipediaに投稿できるのか?」の続編というか、本来はこっちが本編。先に左記の記事を読んでからこの記事をお読みください。
遡ること、今年の1月。キズナアイは、SCP財団の関連動画をアップロードしました。
SCP財団とは、主に都市伝説や危険なものに関する報告書や物語などを創作する創作サイトで、そのサイトに登場する架空の財団のこと。SCPに関する創作は基本的にCC BY-SAというライセンスで公開されます。このCCライセンスは、素材の情報源を表示し、このCC BY-SAというライセンスを適用すれば誰でも作品を使え、二次創作などに利用できるというものです。
つまり、キズナアイがSCP財団の二次創作を作ったことで、この動画に限り、キズナアイの動画が誰でも自由に画像や映像を使えるようになっているということです(商標権などは絡むので著作権は自由ということです)。
そこで私はこのライセンスを利用し、キズナアイの画像をウィキメディアコモンズにアップロードし、キズナアイのウィキペディアに掲載することにしました。
これに対して、SCP財団の創作ファンをはじめ、一部で「そんなことができるのか」とTwitterでの声をいただくことがあり、ルールには従っていましたが、周囲には意外だったようです。
そして、1か月前。この動画の説明文を1つたりとも読まずに削除依頼をする海外ニキが登場。
動画を丸上げ転載した「File:Kizuna AI 新種のSCPが怖すぎる件【SCP Foundation】.webm」の方は、管理者が何も確認せずにファイルを削除してしまうという珍事も発生。
確認しておきますが、このキズナアイの動画のYouTubeの動画説明文には
※この動画はクリエイティブコモンズ 表示-継承3.0ライセンス(略して、CC BY-SA 3.0)で公開されています。
と書かれたうえでこの削除があったわけです。「自由に使える」ということが説明文に明示されているわけです。当時、ストレスが積み重なっていた私はこの件に激怒。
双方の削除議論は難航しましたが、何とか生き残ることが出来ました。
今回のパターンは、前回の記事に書いたようなCCライセンスに誤ってなってしまったというパターンではなく、自らがCCライセンスになっていったパターンです。まぁ色々ありましたが、プチ歴史的な出来事でした。ありがとうございました。
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