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才覚

瞬発力と熟考…… 極端にどちらかだけが働くことはないので その二つの兼ね合いが重要だと教わりました。
でもたまには   まる1日瞬発力だけ…直感だけで過ごしたくなることもあります。

ルーティーンをしない日
思いつきだけで動く日

古本屋さんに行くと 何かしら その日の気分に ピタリのものがあります。 しかも投げ売り価格で…

いわゆる積読の もと

店にある本が 家の棚に置かれる景色が すぐ浮かびます。あの作者と あの作者の本の間に これがあればなぁ…
鉛筆で薄く書かれた値段が手ごろだと
迷う理由はありません。
買ったら満足してしまうと良く言いますが 蔵しているという安心を買う…と言ったほうがいいような気がします。

とりあえず座右に置き読みかけます。
そこへ次の積読が持ち込まれます。直感の産物は寂しがり屋なので友を呼びます。山が高くなり過ぎたら 勝ち抜き戦で負けたものから奥へ やられます。そんな中 不思議と上部に居続けるのが西鶴の上下巻… 
読み始めて 閉じて  抜き読みして閉じて  あとの方を読んで閉じて…  
勿論専門的で高名な研究者が染筆された本なので簡単には解せません。
結局 今までに固まったイメージが邪魔して 本に入りこめないというのが正直なところ…  

いや 西鶴なら そんなことを考えてまで近寄らなくてもいい…
そう鼻で笑うかも…… 

積読が あれこれ語りかけてきます。

西鶴は 過去を振り返らない人だと思っています。
談林で矢を射ちまくったり  
書いたら書いたで すぐ版になったり…… 
常に 次の作が傑作になると豪語するトラクター 
前に進むことしか考えないポジティブ……  

どうせ読んでも 染み付いたイメージが変わらないなら……

そういう結論めいた気持ちも積読にさせる理由でしょう。 

まさか 西鶴も
自分の吐き散らかした言葉が研究対象になるとは思わなかったでしょうし。

月改まって 積読の山を もう一段奥へ積み直しました。

西鶴の二冊だけ手元に残して…

たった二冊なら 積読と言えるのかどうかは知りません。

ページをめくってすぐ
前の持ち主の書き込みがあります。
3ページ~5ページぐらいで
添え書きは何の痕跡も
見られなくなります。

きっと前の家でも 積読だったでしょう。 
しかし良く観察すると
帙の背表紙だけが異常に焼けています。

本棚にさされたまま
忘れられていたのでしょうか。

もしそうなら
積読のほうが幸せだと思ったりしますが…… 

11月1日は
本の日だそうです。
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#うちの積読を紹介する   

#本の日
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#井原西鶴 #西鶴




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