
積み残し2024年 32 クマゲラを探す
国の天然記念物クマゲラを見たいし、あわよくば撮影出来たらと思っていた。日本には500〜600羽しかいない絶滅危惧種だ。
リゾートしらかみのくまげらに乗ったときも本物のクマゲラを見たいと思っていた。

ボッケ自然探勝路でクマゲラを見た、という情報があれば行ってみたりした。
今回は探索という意味合いで札幌へやってきた。クマゲラがいる、という情報があっても何処に巣があるか皆目分からないし、歩き回り情報が特定出来れば次に繋がるし今回はそれで良いと思っていた。
当たりをつけた所にやって来てクマゲラの巣がありそうか注意深く見て歩いた。手掛かりは得られなかった。

時間が過ぎ去り諦めてホテルへ行こうとしたら、多くのカメラマンが集まるエリアがあった。クマゲラがいる、確信して近づくと木に洞がある、クマゲラの巣だと思った。カメラマンが固唾を飲んで見守っている。クマゲラが帰巣するのを待っているのだ。

じっと待つとクマゲラが突然帰巣して来た、クマゲラを見た。カメラは間に合わない、でも良かった。此処にクマゲラがいるのだから、もう探し回る必要はない。

クマゲラの帰巣を撮影終えたカメラマン達は散々午後解散してゆく。帰り道 ある木で足を止め三脚を立てているカメラマンがいる。何かいるのかと聞くと、エゾモモンガの巣がある、という。これは見逃せない、じっと待つことにした。
暫くするとカメラマン達が集まってくる。クマゲラの帰巣に対してエゾモモンガは夜行性なので辺りが暗くなるまで待つ必要がある。
スッカリ辺りが暗くなるとエゾモモンガが一匹出てきた。二匹目も出てくる、少し置いて三匹目が出てきた。三匹がいる巣穴だった。エゾモモンガは木を登り始め枝先までやって来ると飛んだ。二匹目も飛ぶ。三匹目は小さく飛んだ。夜の暗闇の森に飛んだ。
クマゲラを見て、エゾモモンガも見た。何も言うことはない。こんなに上手く行くとは予想もしてなかった。次どうするかと言えば朝だ。日の出の時刻にクマゲラの巣に来て待つことにした。さぁ、ご飯を食べて寝よう。
冬至過ぎクリスマス前の朝5時に起きてゆっくり朝ご飯を食べる。ゆっくりドリップコーヒーを飲む。気温はマイナス10℃で日の出は7時過ぎだ、ホテルを出ると曇りの予報が大雪だった。踵を返して雨用のジャケットを着、リュックにカバーして再出発した。
帰巣のときより少ない人が朝の巣立ちを見守っている。なかなか出て来ない、別な方角からクマゲラの木をドラミングする音が聞こえる。暫くして突然巣立ちして丘の一番高い木まで飛んでいった。巣の近くの木で一休みしてから飛んでくれたら撮影のチャンスがあったのに。もう帰巣まで戻らないので朝の撮影は呆気なく終了してしまった。
帰巣とエゾモモンガの飛行まで大分時間が空く、別のクマゲラポイントに行ってみることにした。だが、札幌を甘く見た。東京、横浜のように簡単に移動させてくれない。途中で引き返してANA クラウンプラザにある雲海で昼食を摂った。ANAの和食店で石垣島、福岡と裏切られたことがなかったからだ。

帰巣にいい時間になった。私のカメラでは巣の近くで撮らないとクマゲラの姿がハッキリしない。カメラマン達の誰よりも近くで待っていると帰巣して近くの木に留まってから帰巣した。私の性能の低いカメラでも写真に撮れた。


今回は探索だけでいいと思っていたが、クマゲラを撮れたし、エゾモモンガの木と飛行まで見た。思いもかけないクリスマスプレゼントを貰った。
クマゲラは2024年の叶えたい思いだった。それが叶った、嬉しい。