【コラム】CLIMBプロジェクトについて知ってほしい!(お子さんがいらっしゃる方へ)
勤めていた病院で"CLIMBプロジェクト"の研修があり、ぜひみなさんに知っていただきたくて、コラムを書きます。
OLASの記事を読んでいただいている方の中には、お子さんがいらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。
がんになったとき
子どもを悲しませたくない、心配をかけたくない、病気のことをそもそも言うべきかが分からない、と悩んでいる方がいらっしゃると思います。
またがんと伝えた後、なんだか落ち着かないなど子どもに変化が生じ、悩んでいることも。
診断や治療によって日常生活の過ごし方に変化があったり、見た目が変わってきたり、関わり方が知らず知らずに変化しているなど、子どもが親の変化に気づく機会は多くあります。
子どもは変化を感じ取り、大人の想像以上に子どもなりに考え、悩んでいる
。そして自分が悪いことをしたために大切なお母さんやお父さんに何かがあったのだと罪悪感や責任感を感じる。自分だけが知らないことへの疎外感を感じる、これらが子どものなかの経験にあると考えられています。
ただ、
・子どもは親に何が起こっているのかを知っている方がうまく適応できたり
子どもが親の強いサポーターとなること
・変に隠し事をせず事実に基づきがんという病気を親子で共有できること
・親子が一緒にがんとともに生きることができることで親子ともによき理解者になれること
が研究の結果、分かっています。
やはりがんであることは伝えた方がいい、というのが研究の結果分かっている意見です。
しかし国内外の研究で、
がん患者の半数がPTSS(心的外傷後ストレス症状)を呈していると同時に、子どもも半数以上がPTSSを呈していることが明らかとなりました。
子どもに生じる様々な感情にうまく対処するための支援が必要となってきます。
そのために紹介したいプログラムがあります。
それが題名に書いている”CLIMBプロジェクト”です。病院などで行われています。
対象は小学生のお子さん方。
週に1回、6週間続けてプログラムに取り組み、子どもが感情を理解し表現する方法や周囲の人たちに感情を伝える方法、感情に対処していく方法を学びます。
アメリカで活動が始まり、現在はNPO法人Hope Treeがその普及の役割を担い、各病院内で行えるようファシリテーター養成を行っています。
CLIMBのプログラムは下記のとおりです。
Nursing Today2014.12月号を参考に作成
ひとつひとつの会では作品を作りながら。
例えば強さの箱は、おうちに帰った後どうしようもない不安に襲われたとき子どもを救うひとつのキーになります。
このプログラムで子どものPTSS(心的外傷後ストレス症状)の程度が有意に減少したという報告されています。
親グループの並列開催をするのも一つの特徴です。
患者会では子どもがいない方もおり、子どもの話がしにくいなかで
治療や子育てにおける苦労を分かち合って親もこのプログラムを通じて変化することで、子どもと親が相互に作用しあうことを狙っています。
CLIMBは行っている病院が限られていますが、そこに通院していなくても受けられます。場所はぜひこちらのURLでご確認ください。
また思春期にいる子どもに病気のことをどう伝えようか悩まれている方に関して
Hope treeが出しているヒントをぜひ参考にしてください。