エコロジータウン内子ってなに?!
愛媛県の山あいにある内子町は「なんとなく居心地がいい」。内子では40-50年前から「エコロジータウン内子」をまちづくりのキャッチフレーズとして自然豊かな居心地の良い町を意図的につくってきた。
エコロジーな町ってなんだ?
パッと「エコロジー」と聞くとゴミを減らしたり、リサイクルの取り組みが思い浮かぶ。内子のエコロジータウンはゴミの取り組みではない。内子でいう「エコロジー」は自然豊かな環境づくり、と言い換えれる。
「エコロジータウン内子」はどうやって田舎で暮らしていくかを追い求めてきた。戦後の出稼ぎから高度成長期・バブル期を経て、現代的な暮らしを追い求める中で敬遠されてきた。人は減り、田畑の管理や家の管理ができなくなり、消滅した集落もたくさんある。田舎の暮らしを残すにはどうすれば良いか。加えて、市街地も都会化が進む中、どのようにして緑や癒しを取り入れれば良いかという問題があった。
田舎の暮らしは地味で面倒臭いかもしれないが、決して貧しい暮らしとはいえない。水や空気がきれいでじいちゃんたちの人柄もあったかい。田舎は敬遠するより生かすべきだし、残すべきだ。エコロジータウンでやることは、田舎らしい豊かな暮らしを続け、市街地の暮らしも豊かにすること。そのために自然豊かな環境づくりをする。
なんとなく居心地がいい
内子を訪ねてくるお客さんが立ち寄る道の駅や駐車場には緑が多い。緑が多いことが直接の集客になっているかはわからない。だが居心地はいい。木陰があって葉が風で揺れる音がする。アスファルトで覆った地面よりも安らぎがある。
エコロジータウンは、なんとなくの居心地の良さを積み重ねていくことでもある。なんとなく歩いてたら気持ちいい場が出てきて、なんとなく居座って、お茶でも飲む。
なんとなくの居心地の良さは都心部よりも田舎のほうが得意かもしれない。豊かな自然や経済発展の遅れは、むしろ好材料だ。日本全国で都会化が進む中で、居心地の良さよりも経済の発展が優先された。人件費がかかる落ち葉拾いよりも土建屋が儲かり、メンテナンスが簡単なアスファルトの舗装が好まれた。日本は居心地と引き換えに経済と効率を選んできた。
時代と逆行するように意図的に居心地の良い場所をつくってきたのが内子町のエコロジータウンだ。古くて清潔感のある町並み。木造の芝居小屋。自然林に戻した土砂崩れの擁壁。あえて蛍が住みやすくした川。集落がおもてなししてくれる人づくり。エコロジータウンは田舎のおもてなしを現代につむぐ希望の光だ。
内子のエコロジーな場所の紹介
内子には意図的に自然豊かな環境づくりをしてきた。一部だが紹介する。
まずは古民家が立ち並ぶ町並み。よくよく見ると電柱がない。街灯も小さい。清潔感があって、レトロな感じでなんとなく居心地がいい。
緑がこんなにある道の駅も珍しい。盆地だけれど日中涼しく、川にも降りれ、シャーベットも食べられる。
木造の芝居小屋は趣がある。もちろんコンクリートのかっこいい文化ホールも良さはあるが安らぎや日本らしさはこちらに軍配。お客さんが入った時もまた臨場感があって楽しい。
駐車場もアスファルトの照り返しがキツいと降りた瞬間、地域の印象が悪い。
「居心地がいい」はみんなで作る
まちづくりというと、コンサルティング会社や行政マン、政治家がやるイメージがある。しかし「なんとなく居心地がいい」を作るためには登場人物が足りない。
立派な公共施設も受付の人が無愛想だと印象は良くない。古い町並みも家の前が掃除されていないと気持ち良くない。道の駅も出荷する人がいなければ寂しいし、木を植えても落ち葉を集める人がいなければ荒れた印象になる。公演のない芝居小屋は寂しいし、来てくれた芸能人をもてなせないと、何回も来たいと思ってくれない。
まちづくりは住民が主役でないと寂しい。中身がぽっかり空いて、居心地が良くはない。
逆を言えば、立派でなくてもばあちゃんが「よう来てくれたねぇ」と淹れてくれるお茶はどんな高級茶よりも優しい味だ。一気に場所に溶け込める魔法の飲み物になる。
誰かが作るのではなく、自分からつくる。つくっていたら仲間ができる。仲間が町に広がった時に「まちづくり」になる。エコロジータウンは住民が主人公で自然豊かな環境づくりをすることだ。
エコロジータウンにおける行政の役割
エコロジータウンにおいて行政の役割は住民のリーダーやサポーターになることだ。居心地の良さをつくる上で、頑張っていたり悩んでいる住民に、手を差し伸べたり指摘したりわからないところを俺についてこいと言える立場にならないといけない。
そのためにはまちづくりを学んで住民に還元する習慣がなければならない。学ばないと自信がなくなり、何もしなくなる。説得できないとプロジェクトが進まなくなる。そして学だけで実行しないとなんの意味もない。結果として、中途半端な企画や場所が生まれる。本当の居心地の良さは生まれない。
リーダーがサボると、おのずとしたがっている住民もサボってくる。内子もエコロジータウン内子を掲げているものの、意欲的に取り組んだり、サボったりを繰り返している。
エコロジータウン内子のまとめ
内子ではなんとなく居心地がいい場所をつくるため、あえて自然豊かな拠点を作ったり古い建物を残してきた。行政などに依存するのではなく、管理や運営の中心は住民であり、支えたりリーダーを行政が担ってきた。1970年代からの日本ではあえて残さないと、田舎は消滅し続けた。そして今も続けている。
具体的にどのようにして内子が取り組んできたかを、後々の記事で書いていこうと思う。お楽しみに!こちらにまとめていきます!
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