豊かな暮らし | おかやま

田舎暮らし、都市計画、古民家、建築。明石高専建築学科/ 東京大学大学院都市工学専攻修了。

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田舎暮らし、都市計画、古民家、建築。明石高専建築学科/ 東京大学大学院都市工学専攻修了。

マガジン

  • 地方のまちづくり

    「ダメな人が暮らしやすい町を作る」目標を掲げ、遅刻、忘れ物、コミュニケーション能力低めのダメな20代男子が、身の丈にあった、意識の低いまちづくりをしている体験談です。

  • 田舎暮らし

    田舎暮らしで感じたこと、これからの田舎についてエッセイ風に書いています。

  • 1000文字’s(センテンス)

    1000文字で読み切りやすい、文章を集めたマガジンです。 ちょっと日常の視点を変える約1,000文字の文章(sentence)です。

  • 徒然なるエッセイ

    思いついたことをつらつらと書きます。

  • エコロジータウン内子のまちづくり

    愛媛県に1.5万人の人口の内子町という町があります。 内子では1970年代から美しい風景や環境を大切にしたまちづくりに取り組んでいます。まちづくりのテーマは「エコロジータウンうちこ」。内子のエコロジーなまちづくりが、現在のまちづくりに取り組む人の参考になればと思います。

最近の記事

愛媛の銘菓「ゆずっ子」|琴松堂本舗

四国と聞くと温暖な気候や海を思い浮かべるが、「四国山地」と名前がつくほど、山間部が多くを占める。山あいの地域では林業もさることながら、カキ、クリ、ブドウなど果樹も栽培されており、柑橘類のユズも四国の山あいで栽培されるフルーツの一つだ。 愛媛県鬼北町のゆずポン酢や、高知県馬路村のゆずドリンクなど、ゆずを加工した商品がたくさんあるが、愛媛県内子町で作られている和菓子「ゆずっ子」も銘菓とよばれ、長年愛されてきた。 美味しい味 100円玉くらいの白あんの団子の上にゆずをちょこん

    • まちづくりの雑談

      「まちづくり」という言葉を聞いたことがある人は多い。しかし、説明しろと言われると難しい言葉だ。 今の日本の国の政治を見ているとなかなか変わらないような、どこをどう変えていけばいいのか、とわからなくなる。 国がダメなら市町村や商店会など小さな単位で考えるのも一つの手立てだ。身近な地域づくりを考えると途端に出てくるのが「まちづくり」という言葉だ。 まちづくりという言葉は1970年ごろに生まれた言葉で、それまでは村おこしとか村づくり、都市計画など似たような言葉で表されていた。

      • 昔のほうが快適に近道なときがある。

        人は欲張りな生き物だと思う。しかしその欲望と同時に、あらゆる感情を持つ生き物でもあって、欲望に素直になれないことも多い。 たとえばカレーを食べたいとする。太るから脂質や糖質の少ないものを食べようと、体の健康から食べるのを控える。 私たちの生活は単純な欲望に加えて、世間体とか少し先の将来とか理屈とかいろんなもので凝り固めて、欲望を抑えながら生きている。 一方で、シンプルな暮らしを謳った本が流行ったり、欲望には忠実にいるべきだ、という一派もいる。 最近、春から夏にかけての

        • その場しのぎの経済政策

          6年間で1.45倍の円安 4月29日、急速に進む円安を食い止めるために、政府や日銀が5兆円規模で市場に介入したのではないか、という噂が広まっている。真偽はさておき160円台まで上がった株価が翌30日の夕方には-4円の156円台後半に下がっている。 去年の今頃、2023年5月で140円台、2022年5月で130円程度、2018年5月で110円前後と、6年間で1.45倍の差の50円近い幅が出ている。それよりも1日で3-4円の幅で円安を食い止めるよりも根本的な経済政策も必要だ。

        愛媛の銘菓「ゆずっ子」|琴松堂本舗

        マガジン

        • 地方のまちづくり
          10本
        • 田舎暮らし
          26本
        • 1000文字’s(センテンス)
          1本
        • 徒然なるエッセイ
          27本
        • エコロジータウン内子のまちづくり
          11本
        • 落ち込んでる時に読むマガジン
          8本

        記事

          ひなのや/玉井大蔵さん

          田舎はいいなと思うけれど、田舎の良さを現代社会の中で表現し、お商売に繋げることは、けっこう難しい。ポン菓子屋「ひなのや」はポン菓子を通して今を生きる人たちに田舎を思い起こさせてくれる商品だ。今回、ひなのやの代表・玉井大蔵さんに会い、ポン菓子に込めた想い、誕生秘話などを聞きながら現地を案内してもらった。 ポン菓子誕生秘話 ポン菓子屋と聞くと老舗のイメージもあるが、ひなのやが始まったのはおよそ15年前。愛媛県西条市の農機具屋だった実家を継ぐため、都会でサラリーマンをしたのちに

          ひなのや/玉井大蔵さん

          社会問題は田舎がカギ?!

          1970年代以降の約50年間、情報技術や金融業の発達により、サラリーマンの増加や資本主義の加速化が進み、都会で暮らす人が爆発的に増えた。パンデミックや水不足、満員電車・交通渋滞など、都会の人口集中による社会問題が山積みとなった。 田舎の労働力は都会へ流出し、田畑や森が荒れた。食料自給率や都市部の水害、獣害被害など、田舎の過疎化が引き起こす社会問題も増えた。未だに田舎より都会の方が給料が良いと、出稼ぎに近い形で田舎の人口流出が起こっている。 真逆なうごきとして、この20年、

          社会問題は田舎がカギ?!

          車のライトはつけっぱなしでもいいらしい

          たまに、昼間のドライブで車のライトをつけっぱなしで走っていることがある。うっかり点けたままなのだが、対向車に「ついたままだよ」と合図を送られることがある。そんな時は独り言で「すいませーん」と言いながら、ライトを消す。 3年前、スイス人が我が家に2ヶ月ほどホームステイをしていた。数週間経ったある日、日本の車のライトについて質問してきた。 「なんで日本人はライトをつけたり消したりするの?スイスだとエンジンをつけてから消すまでつけっぱなしよ。」 ほー、そうなのか。うっかり消し

          車のライトはつけっぱなしでもいいらしい

          ごった煮な自己紹介

          この世の中に生きている人はそれぞれ個性があって、いろんな経験をかいつまんで生きている。いわば経験のごった煮であって、雑味があるほうが無味乾燥な人生よりも美味しい。私、岡山紘明が世の中のどこをかいつまんで生きているかを書いてみる。 兵庫県神戸市出身の4人兄妹の3人目として1994年生まれた。ガッツリゆとり世代かつZ世代(1995年-)になりきれない狭間の歳。実家はニュータウン、2年千葉の学生街、2年東京は山手線内に暮らし、都会と郊外を経験。 父はサラリーマン。母は保育士。学

          栗おこわと塩おにぎり

          秋の味覚といえばたくさんあるが、代表格の一つに栗がある。また年中食べられるという事で忘れられがちではあるが、お米も新米のシーズンには盛り上がりを見せ、秋の訪れを感じる食べものだ。 先日、道の駅で地元のおいちゃんおばちゃんに混じって炊き出しイベントに参加した。 おばちゃんたちが作る栗おこわに混じって、私自身は塩おにぎりを担当した。塩おにぎりは以前からYouTubeやインターネットで調べたり、美味しいおにぎり屋に通いながら学んでいた。 おばあちゃんたちの栗おこわは、地元で味自

          栗おこわと塩おにぎり

          「11月17日深夜、小田のドラマが公開!」

          「11月17日深夜、小田のドラマが公開!」 今年の春に小田でドラマ撮影が行われました。タイトルは『僕の手を売ります』。 @bokunote_drama 主演はオダギリジョーさん。監督は愛媛県内子町小田地区出身の冨永昌敬監督。全国各地でアルバイトをする男性を描いたヒューマンドラマ。私や運営するどい書店のメンバーはロケの下見から、ロケ地の許可取り、当日の撮影地での帯同などを行いました。 冨永監督との出会いは2019年の年末。きっかけは小田で暮らす同年代の映像作家Ko-ki

          「11月17日深夜、小田のドラマが公開!」

          怠けるのは意志が弱いからじゃない

          刺激が足りない時に怠ける。決して弱い人間が怠けるのではない。 逆にやる気がある時を思い出してみる。おもしろい映画を観たとき、美味しいご馳走を食べたとき、旅の帰り、人との出会い、人との別れ。 子どもからの大好き、お風呂に浸かっているとき、車の運転中、テレビのドキュメンタリー。 日常の中の刺激もあれば非日常の刺激もある。それらをブレンドしながら生きていけたら、きっとやる気に満ち溢れた毎日になる。

          怠けるのは意志が弱いからじゃない

          思えば移住して4年が過ぎた。

          移住をしたのが2019年。70歳で出会ったおばあちゃんが来月、74歳になるという。 移住当初、1㌔以上散歩していたおじいちゃんも、御年96歳になり、200㍍圏内しか歩けなくなっている。昨年田んぼを貸してくれたおじいちゃんは年末に亡くなった。 田舎は廃れたと嘆く人がいる。4年の間に少しずつ、確かに時間が進んでいる。大切なものがぽろぽろとこぼれ落ちている。 自分にできることはなんだろう?そもそも地域のことを知らないな。まちづくりってなんだろう。 少しでも疑問を持ったのであ

          思えば移住して4年が過ぎた。

          内子町並み保存期 1970-1985年

          現在、「内子町といえば?」と近隣地域など外部の方に質問すると、「内子座」「古い町並み」と答える人が多い。内子町の古い建物を残す活動が印象付けられている証拠でもある。しかし、いつからそんなイメージがついたのだろうかと言われると意外と40年前ごろからである。それ以前は鎌倉や金沢のように古都の印象がある地域とは言い難い田舎町だった。 そして古都のイメージがない地域でこの半世紀、高度経済成長やバブル崩壊など、さまざまな国の方針の転換、スクラップアンドビルドの風潮により、古い建物を残

          内子町並み保存期 1970-1985年

          500文字で小田地区を紹介する!

          愛媛県に住む人にとって、私が暮らす小田地区は南予(愛媛県南部)の山あいの地域の一つに過ぎないかもしれない。小田地区は漢字で「小さな田んぼ」と書く。呼び名の通り、谷の地形には小さな田が段上に連なり、棚田を作っている。 藪から棒だが、愛媛で一番長い川をご存知だろうか。大洲市は長浜を河口とする「肱川」だ。肱川はちょうど大洲と内子の町境で肱川と小田川が合流する。そして流量で言えば小田川のほうが多く、主流と言える。小田地区は小田川の源流の町であり、言い換えれば「愛媛で一番長い川の源流

          500文字で小田地区を紹介する!

          地域のマイナスを言えるようになりたい

          私が暮らす小田の星空は綺麗だ。夏になれば天の川が見えるし、天然のプラネタリウムのようだ。しかし小田の中で商店街の通りだけ全く星が見えない。数年前に電灯をLEDに変えた際、東京よりも明るいのではないかと錯覚するほどに明るくなった。「安全のため」「防犯のため」とさまざまな意見を交わしたと聞く。 よそから来た人間からすれば「もう少し暗くしたらいいのに」と思うが、言えないでいる。地域貢献の少ない新参者が言うべきことではないような気がしてならない。 しかし気づかないふりをしておくこ

          地域のマイナスを言えるようになりたい

          おばあちゃんが元気なうちに田舎暮らしを学びたい!

          小田に移住してから「暮らしの違い」に出会う。夕暮れに煙を上げる薪風呂の家庭、おみこしや獅子舞が出る秋祭り。ニュータウン育ちの僕にとって、非日常のような暮らしが小田では当たり前に営まれていた。 昔っぽい暮らしが大きく変わったのは1965(昭和30)年ごろ。エネルギー革命、家電の3種の神器、高度経済成長などを経て、全く異なる暮らしに置き換わった。 今の子どもたちは焚き火ができる子が少なく、親世代も田畑を耕せない人が多い。長い年月をかけて培われた地域に合った暮らしは、この60年

          おばあちゃんが元気なうちに田舎暮らしを学びたい!