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燕の巣作りと学校づくり

以前、シンガポールの学校に勤めていた際にグランドの様子を見ていました。ふと校舎を見回していると、下駄箱上にツバメが巣づくり・子育てしているのが目に留まりました。
あー!!日本が寒くなってしまう時期にはこっちに来てたんやな。と感動してしまいました。
ここに巣を作れば安泰!?なのか・・・分からないですが・・・

ところで、皆さんは鳥の巣作りの話をご存知でしょうか?
鳥(種にもよるのかな?)は風が強く吹く日に「故意に」巣をつくります。強い風にも耐えられる頑丈な巣をつくるためです。
木の枝が折れる強い台風が来ても壊れないのはそういった理由からなんだそうです。
作るのは難しいし、どれほどの苦労があるのか・・・

そのときにふと考え込んでしまいました。
自分が関わっている子どもたちは風が強い日に巣(学校)作りできているんだろうか?
何だかそんなことを考えていたら、そもそも「風の強弱を感じ取る能力」が必要なのではないかと考えてしまいました。
何のための巣(学校)作りか、いつまでも大口開けてエサがもらえるのを待っているだけの存在でいていいのか?
考えさせたいと切に思いました。


そんなことを考えている最中、よくある生徒会の学級討議がどのような雰囲気で行われているのか様子を観ることとなりました。
各種委員会からの情報をスムーズに伝達、議案書に対して質問を挙げる者、討議としてよい場面も見られたのですが・・・

ただ、そんな中でも感じた雰囲気というものがありました。
「当事者意識の欠如」です。
全員ではないと思いますが、おそらく子どもたちの内面には、学校や委員会活動に関しての
「早く終わらないかなー」
「自分には関係ない」
「ちょっと気になるけど、面倒くさいからいっか」
「誰かやってくれるやろー」
「どうせ決まっていることやから変わらん」
「委員の仕事やからやならあかんなー」

という感情が手に取るように見えていました?
ああー、この子たちが10年後、いや、投票権を持つことだけで言えば4年後ですね。
政治に関わる、選挙に行くという場面を想像しますと、何となく打ちひしがれてしまうような感覚を覚えてしまいます。

ちなみに、スウェーデンでは13歳くらいの子は全員が既に何かしらの政党に所属するくらい政治に関心を抱く傾向にあるようです。
どうにかこうにか、当事者意識というものを身につけさせてあげたいなと考えている次第です。

リクルートの創業者として名高い江副浩正さんがつくった社風、「圧倒的当事者意識」に倣えというと言い過ぎかもしれませんが・・・
でも、「お前はどうしたい?」ということを子どもたちに投げかけることは、今後必ずや必要となるのではないでしょうか?

少なくとも、今の日本社会が強風が吹き荒れる状態であると捉えるのであれば、今のうちに子どもたちが巣(学校)づくりをすることは、より頑健な学校や牽いては日本社会をつくっていくためにも必要なことであると考えます。


当事者意識をもって「自分は今後の日本を、世界をどうしたいのか?」と真剣に向き合うことができるような子どもたちを育てたいと強く感じた瞬間でした。

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