音楽と心と

今日の天気は雨のち、晴れ。
家を出る前にみた天気予報では、雨のち、曇りだったのに!
むしむしと暑い日になった。

近頃のわたしは、職探しや月一恒例ホルモンバランスの崩れやらで気持ちの浮き沈みが激しかった。自分でも自覚はあり、それによって自己嫌悪にも陥っていた。なかなか抜け出せない負のループをぐーるぐる。これには、一応の終わりがあることだけが救いだった。

昨日、その気持ちのグラグラはピークを迎えたらしい。夜、布団に入ってしばらくしたら、とてつもなく悲しくなった。わたしはひとりではないはずなのに、「孤独」をすごくすごく感じた。一人暮らしだって、約6年していた。もちろん寂しくて家族に会いたくなることもあったけど、そんなこと頭にないほど自由を謳歌していたこともあったし、これほどまでに「孤独」を感じたことはなかった。だから、わたし自身とてもびっくりした。その大きな孤独感に心が頭が追いつかない感覚があって、涙が止まらなくなってしまった。どこか家族に会いたいな、なんて思ったり。数時間の時間とちょっと高いお金は少しかかるけど、足を伸ばせば届く距離にいる家族。なのに、今すぐ会えるわけじゃない。だからこそ、だからこそ余計にもどかしく感じたのかもしれない。そんなこんな、いろいろ考えていたけど、次の日は用事があったし、寝なくちゃと無理やり涙を止めて、寝ることにした。
………このあたりはよく覚えていない、

いつの間にか朝になっていた。
ささっと身支度を済ませた。わたしは、今日ある用事をすませるのをやめた。自分の気持ちに従ってみた。人はいつどうなるかわからない、というのは社会人になってよく感じること。自分は大丈夫だろうっていうことなんてないんだろうなって思ったりする。今日はわたしの中の黄色信号を、必死に訴えかけているその信号に従った。従って良かったといま、すごく感じる。人がどんなことにどれほどの幸せを感じるかが違うように、人の我慢できる範囲だったり、頑張れる範囲も違うもの。あの子の、あの先輩の、世間一般のものさしではなくて、自分のものさしではかってあげることは忘れないようにしたい。

そこからわたしは歩き出した。あいにくの雨。朝ははやかった。
歩くときのお供は、きまって音楽。最近はまっている曲を数曲何回もリピートして聴く。音楽に限っては、はまったら飽きるくらいまで永遠に聴いてしまうタイプ。ちょっと前に気がついたのだけど!
どんどん歩く。まわりをきょろきょろ見渡しながら。余計なことは考えずに、口パクしながら歩くのが好き。しかもいまはマスクを常にしているからバレないのがよい。

まだまだ歩く。ふと、聴いてみようと思った曲があった。
SHE'Sの『追い風』という曲。妹がLINE MUSICに設定していたのがきっかけで知った。だから、妹に電話をかけると決まってこの音楽のサビが流れた。しかも爆音なんですね。LINE MUSIC。いつもびっくりしてひとり目ん玉飛び出そうになる。だいたい、びっくりして音量を下げて少しすると、だいたい妹は電話に出る。そうわたしにとっては、呼び出し音だった。
そうそう、なんでわたしがこんなにも歩いていたかというと、その妹に会うためだった。だからふと、SHE'Sの『追い風』を思い出し、ちゃんと聴いたことがなかったから聴いてみようと思ったのだ。

わたしはキャッチーな曲調、転調する曲をよく好きになる。
どちらかというと、バラードよりも明るめな曲が好きで、パンチがあったり、軽さを感じられる曲だったりが好み。歌詞でどんなことがかかれているかよりも、かなりメロディーやリズム感を重視する傾向がある。直感的に好きだ!となるタイプ。ちょっと極端かもしれない。

そんなわたしがSHE'Sの『追い風』を聴いたとき涙が溢れた。こんな経験したことがなかった。もちろんこれまで幾度となく、音楽には心を揺さぶられ、様々な感情とともに音楽は在った。でも涙を流したのは初めてだった。

妹の家まで続くずっとまっすぐな道、新緑。その時のわたしには、新緑は眩しすぎた。自己嫌悪に陥って、非力なわたし。反対に瑞々しく、どんどん成長をしていく新緑。目に映る景色と今の自分の状況を重ね合わせて、何回も何回も『追い風』を聴いた。爽やかなメロディーと力の乗った歌詞がわたしの体に入ってきて、しみこむような感覚。
はじめ聴いているときは、自分の不甲斐なさとか泣いていることに対して、いっぱいいっぱいだったけど、だんだんと曲の前向きさに、曲がそばにいてくれることに気がつく余裕が出てきた。
わたしにとって、呼び出し音だった『追い風』。変わって今は、しっかりと歌詞を噛み締めている。
後ろからふわっと寄り添ってくれる曲だと感じた。歌詞のエネルギーを感じつつも、あたたかくて。不甲斐なさでいっぱいいっぱいになったとさっきは書いたけど、安心感のようなものにもじわーっと満たされていった。
自分を、そして自分の未来を信じて歩いてみようと思わせてくれるそんな曲。

踏み違えて 終わりじゃない
何処でだって待っている未来
君は変われてる 笑えてる
生きていく者だけに吹く 追い風
もう一度だけ立ち上がれば
また違った景色が見える
今見えてるもの それだけが
全てと思わないでいい
振り返ったって 答えはない
君だけが変えれる未来
いつかまた転ぶ その時も
生きていく者だけに吹く 追い風

※歌詞の一部を抜粋させていただきました

自分の意思に、決めたことに自信を持てないとき。
もう二度と失敗はしたくないと、恐れているときがある。
頭の中には、成功の道か/失敗の道か、その二択しかなくて、
成功の道の先には「未来」。失敗の道の先には「絶望(おわり)」が待ってると。
でもね、そうではないよ。おわりなんかじゃない、未来は間違いなくある。
前を向いてすすむのは自分。立ち上がれば、きっと後ろからすっと、いやぐっと追い風が背中を押してくれる。

ほとんど歌詞そのままだけど、個人的にはそんな解釈で、ほんの少し自分で噛み砕いて、心にしまった。
今は曇っていて見えなくても、きっと前にある未来へ、ほかでもない自分が立ち上がりすすむ。だれかに未来を委ねるのではなく。
しなやかな強さを自分のなかに持つ。
気付いた時にはきっと、追い風が背中を押してくれているはず。

────そろそろ妹の家に着く。すこし強引に涙を拭った。


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