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杉山一陽句集『案山子』を読む。

杉山一陽氏の句集『案山子』を読みました。

概要

何気ない日常と、食べ物の美味しそうな感じ、家族の事、散りばめられたユーモアなど、見どころの多い句集。

ちなみに本のタイトルの読み方は
「かかし」ではなく、「かし」である。

かがし

五句選

たくさん付箋を付けた内、感想を添えたい五句に厳選した。


赤子寝て灯り落とせば天の川

21ページ

あかご、あかり、あまのがわ、と「あ」で韻を踏んでいて流れが綺麗。
内容の良さを際立たせている。

いつか来た枯野に白き馬の夢

51ページ

この句集の中で一番、画家的な感性を感じた句。
絵画的な光景が描かれており、結句の夢が幻想的。

靴ひもがほどけて気付く和タンポポ

81ページ

視点の移動に面白さを感じた句。
普段の目線から、靴ひもを結ぶ用事があって下を向くと、視界に和タンポポが入って気づいた。

氷柱から水借りて磨る朝の墨

111ページ

とても風流な句。
特別な墨で良い作品が出来そう。

サンタさん何処から入るマンションは

177ページ

ユーモアの句の例で紹介。
親御さんがどう言い訳したのか気になる句。

まとめ

画家でもある作者の、俳句による日常や風景の切り取り方のセンスが冴えている。

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