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「年刊花林花2023」を読む④石田恭介氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

石田恭介氏「どくだみの園」より。

虫の闇浮かべてゆらら屋敷跡

「ゆらら」の浮遊感が、屋敷跡の「跡」感を強めているように思った。また、闇と屋敷跡の取り合わせが句全体の雰囲気を作っている。

風光る手つなぎで世界の涯まで

世界平和を願う句とも、作者自身の未来への句とも読める。そう思ったのは
世界の涯の涯の字が、生涯の涯だからだった。

薄暑光読みさしの本ポケットに

こういう句があるとどんな本か気になる。ポケットに入る本なので文庫本だと思った。しかし何のポケットか明記されていないので、鞄のポケットだったらハードカバーの本などもあるかもしれない。読んだ感じだと文庫本説で行きたいと思った。

季語の選択や作中の名詞の取り合わせに安定化があり、やはり俳句を作り慣れているように思った。

以上。

続く。

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ゆめいるか書房
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