ベンチャーに飛び乗ってから8年が経った
こんにちは!
dely, Inc.でプロダクトマネージャー (PdM) をしていた奥原拓也 (@okutaku0507) といいます。2024年9月現在は育休中で、2025年1月に復帰する予定で、何を拝命するのかワクワクしています。
少し時間が空いてしまいましたが、2024年9月1日で、ベンチャーに飛び乗ってから8年が経ちました。毎年、1年を振り返っているので、今年も継続してこの1年を振り返っていきたいと思います。ベンチャーに興味を持っている方、一緒にベンチャーで闘っている方の何かお役立ちできたら幸いです。昨年のnoteを貼っておきます。
8年間、ベンチャーという船に乗って
2016年に大学院を自主退学して、9月1日に当時の学生起業のベンチャー企業 (今ではスタートアップといいうと思いますが) に飛び乗って、8年間が経ったのですが、今思えば8年間はめちゃくちゃ長いなと客観的に思います。そもそも、学生起業でのベンチャー企業が8年も成長を続けること自体至極難しい中で、ここまでこれていること自体が奇跡、さまざまな運があってのことだと思います。
その中で、結婚、長女の誕生、長男の誕生と、社会人になっての人生そのものの時間を過ごしてきました。途中、心が折れそうになった期間もありますが、この8年間を振り返ると、常にその時々に全力で向き合えてこれたのではないか、と思います。
2024年9月は長男の育休中で、育児に集中しているということもあり、空いた時間で、思考を深めること、過去を内省することに取り組んでいます。
長男の誕生と長女に緊急入院
まず、この話を書いておかなければなりません。2024年7月に第二子、長男が爆誕しました。長女はコロナ禍における緊急帝王切開だったので、立ちあることもできず、LINE電話越しに緊急での帝王切開が決まり、呼吸が安定しないということで当日は会えずという感じだったので、長男の時には予定された帝王切開で立ち会うことができました。
予定された日に、病院へ向かうと人生で初めて入る手術室と多数のスタッフの方々、意識がある妻という面々で、次々に処置が進み、僕が入ってから15分もしないうちに長男が爆誕というスピード感でした。この体験自体、頑張ってくれた妻や長男には感謝しかなく、僕が立ち会うことでさまざまな配慮をしてくださったスタッフの方々にも感謝しかありませんでした。人間の誕生には本当に多くの方の支えがあって成り立っているのだと生身で体験することができました。
そして、長男の誕生から1ヶ月くらいしたある日、長女が高熱でぐったりする日々が続き、気になる点もあり何度の通院していると、とある病気であることが発覚して即日入院することになりました。入院の手続きにあたり、処置室で「パパ!痛い!」という叫びを僕は一生忘れることがないでしょう。幸いにも標準的な治療で回復し、今は保育園に通っています。1週間程度の入院生活だったのですが、同じ病気の子もいれば、さまざまな文脈を持った子供たちがいて、たくさんのスタッフの方々が働かれていました。
この8年間、誰かの役に立ちたいと思ってインターネットにおけるプロダクト開発に従事してきました。今回の長男の誕生、長女の入院において、関わっていただいた方々を目の当たりにして、自分はなぜ働いているのか?という問いが自然が湧き出てきました。
何のために働いてるのか?
今回の育休におけるサブテーマは「何のために働いてるのか?」でたくさんの本を合間合間で読んでいます。そもそも何でそんなことをしているのか?を書きたいと思います。
育休において規則上は仕事はNGなので、心を鬼にして、仕事は一切していません (Slackのスタンプとかも一切せず!) 。できません。そのため、仕事復帰をして最大限のバリューを出すために僕ができることは何か?を考えた時に、行動のベースとなる思考を深めることだろうと考えました。僕のバイブル「成長マインドセット」におけるアイスバーグ理論の最下層の部分です。
ここではひっくるめて「マインドセット」とします。仕事で成果を出すためには、そのための能力やスキルがなければなりませんが、その根底にあるのはマインドセットです。ここの軸が外れてしまうと、自分の時間を最大限成果に転換することができなくなるし、長期的にみて成長し続けられるかという観点で重要です。
どうすればマインドセットを深めることができるのかを考えた時に、僕は人間は認知している概念でしか物事を考えることができないという考えを持っているので、多種多様な考えを頭にぶち込んでしまおうと思いました。そのため、子育てで細切りになる時間の中でたくさん本を読もう!と考えました。
まだ1ヶ月ですが、読んだ本を列挙しておきます。他にも読んでいますが、一例です。
これらの本を読む中で、日本という国に1993年に生まれて、大学教育まで進み、ここまできた歴史的な背景を知ることができたとともに、今の日本社会が置かれている状況や自分の主になっている考え方のベースがどのように形成されてきたのかという環境的な背景を知ることができました。もちろん、それだけではなく今まで考えてきたこともあるのですが、今までの過去の事象のあらゆることが言語化できるような感覚になりました。そういう意味で、改めて本を読むことの重要性を再認識しました。考えるためには、考えるための道具が必要です。
原点に立ち返る
さて、考え込んでも仕方がないと思ったので、これらの新しく頭に加えた情報をベースとして「何のために働いてるのか?」を言語化したいと思いました。結論からいうと、働き始めるよりも前に書いたWantedlyのプロフィールにありました。
大腸菌を使ったインスリン生産に感銘して、大学の学科を選び、大学院までいきました。大腸菌を使ったインスリン生産に関しての歴史が書かれた本を読みました。今回、長女の入院をきっかけに当該の病気の発見や治療法の確立の歴史の本を読みました。結局、僕がやりたいことって「インターネットを通して、〇〇があって人生良かった」というようなプロダクトを創ること、創り続けることなんだということを改めて実感することができました。自分が楽しい!と思ったインターネットの世界を外すことはできない一方で、誰かの生活を根本からより良くしちゃうプロダクトを創りたいんです。
あらゆる物事が新鮮
この1年間、娘の認知能力や言語能力が発達したことで、あらゆる物事が新鮮に映るようになりました。たとえば、道ゆく際に犬がいたら「ワンワンいるね」、猫が寝ていたら「にゃんにゃんがねんねしているね」、綺麗な花があれば「綺麗なお花だね、なんていうんだろうね」という具合に、今まで目に入ってはいたけど、頭の中で処理をしていなかったことがどっと溢れてきました。また、子供と土日にいけるところはどこか?と考えると、意外とないことがあり、不便だなと思うこととか、病院にいく回数が圧倒的に多いので、保険証のオンライン資格確認システムを知って、便利だなとか、さまざまなことが頭に入ってきます。
そうすると、こういうところは便利だけど、こういうところは結構不便なんだなと思うところが多く、今後のプロダクト開発に参考になるなと思いました。日常生活全てが学びなのです。
この1年間を振り返って
時折「何のために自分が働いているのか?」と考える機会があることと思います。この1年間は特にそれを考えさせられました。もっというと「生きる意味」を考えていました。
というのも、正直なところ、子育てと仕事の両立が無理レベルで難しいことを痛感したからでした。保育園の送迎、ご飯の用意、公園に行ったり、寝かしつけ、ここに書ききれないような細かいことが無限のようにやってきます。それらが生活に溶け込んでいるのですが、もう1人暮らしの時、夫婦二人の時とは別次元です。1人育てているだけで、自分の時間はほとんどないという状況でした。そういう状況だと自分が風邪を引くことも多くなりました。子供は風邪の子と言いますが、自分も常に何かしらの風邪をもらっているような状況です。その中でベストパフォーマンスを出そうとすると、従来の方法ではできません。
限られた時間をどう使うか、つまり自分の人生が限られたものとして考える必要性が出てきました。子育てと仕事の合間、何に時間を使うのか?これを考えざるを得なくなり、子供が産まれる前よりも時間の使い方を考えています。その結果、コツコツとプロダクト開発を進めたり、本を読んだりすることができるようになりました。自分の人生は限られたものなのです。
新しい1年間に向けて
この田坂先生の講義?を拝聴して、ああ「すべては導かれている」のかと思いました。何でこんなに働くことについて考えているんだろう?と考える (!?) ことがあるのですが、それも導かれているのだろうと考えています。
で、上記のように色々考えているわけなのですが、行動をしなければ何も起こらないだろうと思います。言語化して発信も一つだと思うのですが、やはり自分はプロダクトを創ることで世の中をより良くすることに人生を使いたいと思うのです。そのため、今後も行動あるのみなんだろうなと思います。
最近読んだものの中では、これがしっくりきているのですが、何が未来に必要なのかを行動をしながら見つけていきたいと思います。