見出し画像

アンラーニングは当たり前になる

unlearn (アンラーン) という言葉を聞いたことがありますでしょうか。アンラーンニング (アンラーンすること) とは何か、将来アンラーンすることが当たり前になるとはどういうことかを書いてみたいと思います。

アプリを使ってみる

iOSとAndroidでアプリを公開しています。個人としては、初めて、アプリを各ストアに公開してみました。専用サイトに飛んでいただき、どんなアプリをざっくりと把握されてから、是非、使ってみてください。なぜ、unlearnというアプリを創ろうと思ったのかを、このnoteで書きたいと思います。

アンラーンニングとは

アンラーンニングとはそもそもなんでしょうか。学ぶという単語、learnに"un"が付いているので、学ばないことあるいは学びを捨てることかなと思います。下記の記事では、以下のように定義されています。

アンラーニング」とは、一言でいうならば「学びほぐし」を意味します。

これまでの学習を通じて培ってきた価値観や習慣を認識した上で、必要なものを取捨選択し、新しいものを取り入れながら学びを修正するスキルのことです。

変化の激しい時代に必要な「アンラーニング」とは? 実践の3ステップと手法を解説

個人的な解釈としては、「アンラーン」は不確実性が高く変化が強制される社会において、今までの経験を活かすための思考のクセからの脱却というプロセスであると考えています。

なぜ、アンラーニングが必要なのか

アンラーニングが必要な理由について考えたいと思います。一言で言うならば、不確実性が高い時代において、状況が常に変化するため、その状況に対応するために、自分自身をアンラーニングを通してアップデートする必要があるため、だと考えています。

特にアンラーニングはキャリアチェンジなど、状況が一変した時に必要になってきます。キャリアチェンジでは、業種を変えるとか、同じ業種だが職種を変えるなどが含まれていて、その度にそれまで当たり前だったことが通用しなくなるはずです。今までの成功パターンがそのまま通用するというケースが少なくなり、成果を出すためには強制的に今までの固定観念を捨て去る必要が出てきます。このプロセスこそがアンラーニングだと僕は考えています。以前、キャリアチェンジをしたことがあるかを自分のフォロワーの方々にアンケートを取ったことがあります。その結果、驚くことに75%強の方がいずれかのキャリアチェンジをしたことがあるという結果でした。

僕のフォロワーのため、インターネット界隈に偏っていると思われ、インターネット界隈では、業界を変えたり、職種を変えたりは頻繁に生じ、数年で転職も当たり前です。そのため、キャリアチェンジしたことがある割合が高いと思います。憶測ですが、キャリアチェンジは一回にとどまらず今後も強制的に生じると考えています。

未来人材ビジョン

経済産業省が作成した「未来人材ビジョン」という資料を読んだことがある人も多いのではないでしょうか。日本では、旧来の雇用システムからジョブ型雇用に移り変わろうとしています。

「ジョブ型」雇用とは、企業が人材を採用する際に職務、勤務地、時間などの条件を明確に決めて雇用契約を結び、雇用された側はその契約の範囲内のみで働くという雇用システム。そのため別部署への異動や他拠点への移動、転勤はなく、昇進や降格も基本的にはない。日本ではジョブ型雇用を指して「欧米型の雇用システム」と表現するが、欧米だけでなく世界的に見てもこの「ジョブ型」雇用がスタンダードであり、職務を限定せず新卒で正社員を一括採用する雇用システム(メンバーシップ型)は日本独特のものだという。

「ジョブ型」雇用とは?第一人者が語るメリット・デメリットと大きな誤解

ステージが若いほど、実力ある中途採用が主なインターネット界隈において、自分が持っているスキルセットと企業側が求めるスキルがマッチした採用が行われています。そして、一つのスキルを極めることで全ての会社、全てのフェーズで対応できるという事例は少ないように思います。少なからず、キャリアチェンジに近いことをしていると推測しています。

未来人材ビジョン p.71
未来人材ビジョン p.86

未来人材ビジョンの中で求められてる人物像こそ、アンラーニングをし続けて、成果にコミットできる人材なのではないかと考えています。

次の10年を何に投資すべきか?

社会人になってから、6年間ずっとプロダクト開発に従事してきました。エンジニアからプロダクトマネージャー、新規事業の立ち上げまで広くを経験し、様々な方と話をさせていただく中で、自分の中で確信したことがあります。それは、長く使われるプロダクトを創るためには、10年単位での時間が必要であること、そして既存の積み重ねではなく、未来のあるべき姿から逆算して今を捉える必要があることです。

すでに日本以外では当たり前になっているジョブ型雇用、日本においてもこれからの10年、ジョブ型雇用が当たり前になってくると思われます。大企業においても、変化を強いられるのではないかと思います。また、転職も当たり前になってくるでしょう。その時に必要になってくる学びのプロセスこそがアンラーニングであると考えています。アンラーニングという言葉を知らなかったとしても、本質的にはアンラーニングのプロセスを経て、新しい環境に適応していくのだと思います。この学びのプロセスを何かプロダクトに落とすことで、素早く新しい環境に適応し、最速で最大の成果を出せるように個人が成長すれば、結果として素晴らしい世界に近づくのではないかと考えています。

世界で闘うためには?

個人的な目標に、グローバルで使われるプロダクトを創りたいという野望があります。グローバルで使われるためには、いくつかの要素があると考えています。

まず、言語の壁を越えることができる。一つの解にUGC (User Generated Contents) があります。UGCであれば、ユーザーが勝手にローカライズしたコンテンツを生成してくれます。また、エンタメ系の動画であれば、世界誰でも楽しむことができます。最たる例がTiktokです。

もう一つは、ユーザーの普遍的な欲求を解決できている。例えば、モノを買う時にAmazonのように、家にいて届く方がいいし、早く届く方がいいし、良い品が安い方がいい、これを解決できて上手くローカライズできたら誰でも使うプロダクトになります。

最後に、世界の誰でも抱える課題を解決するツールです。FigmaやNotionのようなツールはどの国の人でも課題を抱えている部類に入ると思います。そのため、競合も多くトップシェアを取るのは並大抵ではないと思われます。課題がわかりやすい分、コモディティ化もしやすいためです。

アンラーニングは当たり前になる

ここまで述べてきたことから、この先、アンラーニングは当たり前になると考えています。また、アンラーニングを効率的に行うためのツールで世界で使われるプロダクトが創れるのではないかと考えています。そこで、開発しているのが「unlearn」というプロダクトです。

まず、僕が考えるアンラーニングの概念を図示してみました。

アンラーニングの概念

そもそも、学びとは解ける課題の量と質を高めていくこと (図では総合格闘力と呼んでいます) と定義して、それが連続的な成長 (ラーニング) と非連続的な成長 (アンラーニング) を繰り返すと考えています。ラーニングでは熟練度が上がっていくけれども、80点を90点、100点にするにはかなりの時間を要すると考えていて、総合的な力をつけるならば、一度アンラーニングをして、解くべき課題に適した別の能力をつけるプロセスだと考えています。そして、学びは理論と実践の中で育まれるものだと考えていて、理論を学び、実践を通して自分の血肉にしていくプロセスこと学びだと思います。この理論を深めるのが、日々の学び (ラーニングとアンラーニングの繰り返す) であり、そこに実践の場、僕は「バッターボックスに立つこと」とよく表現しますが、要するにスポーツでいう試合に立つ機会を増やすことで理論が自分の中に落ちて定着すると考えています。

突然ですが、大人になって、社会人になって日々学んでいるでしょうか。国が行っている「令和3年社会生活基本調査」によると、仕事をしている人が勉強をしている時間は平均すると1日6分だそうです。しかしながら、これは平均であって、そもそも勉強をしていない人が9割いるために、平均が下がってしまっているためです。

この結果から、学びの階層を4段階に分けて、対象とする層を比較的積極層以上として、特に学びに対して積極的に取り組んでいる人が学びを効率的にできるツールを提供しようと考えています。この層に対するニーズに向き合うことで、学びに積極的ではない層も徐々に学んだ結果としてのメリットを享受できるようになると考えています。

学びの階層

先ほど、学びには理論と実践の側面があることを説明しました。いわゆるインプットとアウトプットと言い換えることができます。個人的には特に機会を作るのが難しいのが実践、つまりアウトプットする場なのではないでしょうか。アウトプットはインプットしたものを自分の中に定着させるプロセスとして非常に重要です。しかしながら、学んだことを本当の意味でアウトプットして、失敗を繰り返し、自分の中でアジャストさせていく過程を経ることは難しいと考えています。自分が所属する会社や組織でそういう場が提供されればいいですが、様々な理由から難しいケースが多いと考えています。その場合、中で頑張って機会を得るか、いっそのこと外に探しにいくかですが、中で頑張るパターンは構造的な運もあるため、プロダクトとしては外で実践の機会を得る方法を提供したいと考えています。

学びのフェーズ1 ~ 2
学びのフェーズ3 ~ 4

学びの課題解決を1 ~ 4に分けて、1 ~ 2をインプット、3 ~ 4をアウトプットする機会として、最終的には学びを実践に活かせる機会を提供することで、学びをサポートするまでできたらいいなと考えています。しかしながら、現状のプロダクトではフェーズ1も解決できていないため、開発を進める必要があります。

今回、Adaloというノーコードツールを使って実装したのですが、超簡単な反面、かなり制約がありました。これから先は、自分でFlutterという技術を勉強して、ちゃんと実装してフェーズ1から実現したいと考えています。一旦は趣味の範囲で取り組んでいきたいと考えています。もし使っていただけたら嬉しいです。

まだ機能がほとんどなく、恥ずかしい限りではありますが、僕が成し遂げたいことの片鱗は表現できているのかなと思います。このプロダクトとnoteを見て、一緒にアンラーニングが当たり前になる世界を創ってくれる方を探しています。もしよければ、TwitterのDMでお声がけください。


いいなと思ったら応援しよう!