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「トトロの住む家」を読んで。実家の家を懐かしむ。これからの家を考える。

ジブリパーク、ジブリの大倉庫へ。

中に古い本屋さんを模した、熱風書店がある。
ジブリ作品の絵本などはもちろん、
元々の小説や宮崎駿さんの著書などが並んでいる。私の1番の夢の世界だ。
本棚に何が並んでいるか、ってワクワクするでしょう?その人の人となりが見えちゃう感じがして。

その中でとても目を惹いたのがこの一冊。

奇しくも、午前中に以前から気になっていた工務店のモデルハウスを見てきたところ。
深い軒、日向ぼっこにちょうど良い縁側、足元にちょっとした障子。あぁ、私の実家もこういう家だった。田舎だったから、平屋のちょっと大きな家で切妻の瓦屋根は母の自慢だった。

そんな古き良き家にはトトロが住んでいる、と書いてある。ふむふむ、確かになぁ。

「世の不思議」をただよわせる家がいい
トトロの住む家 より

おばあちゃんちにあった応接間。
不思議が漂っていた。

幼い頃、祖母の家で遊んでいて畑や植木の合間を走り回って、疲れて応接間のソファで寝てしまった。
でも家族や親戚は私がいない!と大慌てで探し回った事件があった。
もう記憶はうっすらとしか残っていないけれど、あの応接間のコテコテした模様の絨毯の上にあった藤のソファ。私はそこにいたのに。
なぜか大きなエレクトーンも置いてあった。

ぼくがどんな家に興味を持つかというと、それは「闇」みたいなものがある家ですね。
それをつくった人や住む人の、心の襞(ひだ)の奥行きが感じられるような。
トトロの住む家 より

こういう視点で家を見てるのか。
と衝撃でした。

私の実家も数年前に建て替えしてしまい、もう残ってはいない。
新しい家は確かに便利だし、綺麗だ。
でもトトロは住んでいない。
大手住宅メーカーに頼んだ今の家はシャッターも自動で母は大変満足しているし、リビングも非常に暖かい。
80過ぎた父がよろよろしながら灯油缶を持ち上げてストーブの給油をすることもなく、大変安心だが、
なんとなく寂しいと私が感じている。

こんな大寒の日でもね、
沓脱石の置いてある広縁はぽかぽか暖かくて
母はいつもそこで布団を干していて
小さな私はこっそりそこで昼寝してた。
最高の幸せだった。

あぁ、こんなにも家は私に染み付いているのだね。
皆んなの染みてる家はどんなもの?


本にはその不思議の漂う家に住んでいる方の
素敵な空気感が詰まっている。
宮崎駿さんのスケッチももちろんのこと。

私もまた、トトロの住む家に住みたい。

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