小さい頃から大人になりたくないと思っていた。
ある程度の縛りはあるが子供でいることの心地よさを小さいながらわかっていた。
子供や若者の特権もまたわかっていた。
大人になっても子供の頃の感性やその頃に抱いていた大人へのイメージは簡単に消えることはない。
わかっていても現実の残酷さに失望し過去の栄光を渇望する。
ただわかっていたからこそ、逃げ場はないと必死になって染まろうとする。望んでもないのに。
若者と呼ばれる時間はとてつもなく希少な時間だ。何も知らないからこその行動力、発想力。そして一番の武器である体力。
人生という大枠でみると若者でいられる時間は僅かしかない。だからこそこの時間はマジックアワーであり、いつまでも光り輝く。
どうかこれ以上奪わないでほしい。
若者から大人への期待は大人というものに対する期待ではなく、未来への期待だ。