ビートルズと十二音技法
世界の陰謀説にビートルズの音楽は別の人間が作っていて、十二音技法が使われているというものがある
これについて、インターネット上で言及している人は何人かいるのであえて僕が書かなくてもいいかとは思ったけど、僕なりに違和感が拭えないのでやっぱり吐き出させてほしい
カタルシスでしかないことは断っておく
どこから出た話かはわからない
イギリス王室とロスチャイルド家の出資によって設立され、のちにロックフェラー家も出資したと言われている「タヴィストック人間関係研究所」
この研究所では、「大衆洗脳工作」という世界中の人間を洗脳するための研究が行われているらしい
こちらの差し金で、テオドール・アドルノなる作曲家にビートルズの楽曲を作らせていたというもの
僕の手元にある本によると、テオドール・アドルノは一般心理を研究し尽くした天才で優秀な作曲家だそうだ
その彼が、「十二音技法」という音楽のメドッソをビートルズの楽曲に用いてたと、、おっと正しくは「十二音技法的無調」を積極的に用いたらしい
「十二音技法的無調」とは、重く強い反復的な音を基礎にした耳障りのいい曲調で、聴く人を軽いトランス状態に陥らせることができるらしい
これ、誰が書いたか知らんが「十二音技法的無調」ってなんだよ?
「十二音技法」というオーストリアの作曲家シェーンベルクによって確立された作曲法がある
説明が難しいが、ざっくりと説明だけしたい
音楽は図の白鍵部の
ド レ ミ ファ ソ ラ シ
の7の7つの音
黒鍵部の
ド# レ# ファ# ソ# ラ#
の5つの音
合わせて12個の音によって、音をつないでメロディを作ったり、3つ以上の音を同時に鳴らす和音によって美しい響きを作り出して音楽を作り出す
これを調性音楽という
(相当おおざっぱですよ)
いわゆる、誰もが普段聞いているような音楽と思ってもらっていいと思う
これに対して、12個の音を平等に使いません?
と、「ドが一度出たら残りの11個の音が全部使われるまでドは使えないことにしてさ、調性無くそーぜ!」
という決まりを設けて作られた音楽が十二音技法と呼ばれ、無調音楽の一つとされている
(これも相当おおざっぱですからね)
この説明だけで、ナンノコッチャ??でしょ?
説明してる方も疲れるんですよ(笑)
もっと説明が上手であれば、、、
一応、調性音楽と無調音楽の比較動画を作ってみた
調性音楽は、白鍵の7つの音で同じ音が何度も使われているのに対し、無調音楽は音を一つずつしか使っていないのでメロディと呼べるのかなんともつかみ所のないものになっているのがわかるだろう
(仮にわからなくても、頼むからここは僕に免じてわかったことにしてほしい)
無調の説明が長くなっているが、このように無調音楽は冒頭の
「重く強い反復的な音を基礎にした耳障りのいい曲調で、聴く人を軽いトランス状態に陥らせること」
には程遠いということを言いたいのである
(長い、このためだけに長かった)
そして、十二音技法「的」無調の「的」というところである
的ってことは、十二音技法じゃないのね?
そうなのね?
ということである
じゃあ、何なんだよ!
と突っ込みたくなる
いや、もはや突っ込んでいる
そして、引き合いに出されているテオドール・アドルノは十二音技法を確立したシェーンベルクの弟子であるベルクという作曲家の弟子で言うなれば、シェーンベルクの孫弟子にあたり、バリバリの十二音技法の人である
そして、ジャズやポピュラー音楽に対しては批判的な態度をとり続けたらしい
(この辺はウィキペディアからの引用なので、真偽はわからないけど)
そもそも、音楽大学で学んでいた当時、シェーンベルやベルクなどの名前はよく耳にしていたがテオドール・アドルノの名前は一切耳にしたことがない
(不真面目だった僕の勉強不足もあるが)
つまりだ
そんなやつがビートルズの曲作るか?
ビートルズの曲はめっちゃポピュラーな調性音楽やないか!
という点において、デタラメ極まりない話ということなのである
専門家の方々は、相手にするまでもないという態度であるが、こういうデマがちゃんと調べもしない人たちによって広まり、色んな誤解や嘘を蔓延させているのだ
ただ、最後に言いたい
それでも僕はビートルズが好きにはなれないし、ビートルズ擁護のためにこの記事を書いたわけではない
何の弁明やねん。。