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ミセス・ハリス、パリへ行くを読んで(2024.3.7)

こんばんは、年度末の忙しさに忙殺されているももこです。
私は弱いけど屈しないぞ。

今週読んだ一冊は、『ミセス・ハリス、パリへ行く』(著・ポールギャリコ)です。

心に残った文

「そうだよ、そうだったんだよ。わたしゃ、これから一生かかったって、かならずドレスを手に入れてみせますよ」

p45

そして、「まじめに働きなさい。こつこつやっていたら、ドレスは買えるだろうよ」と教えてくれたのだ。

p62

「なんだよう!あんたたちフランス人は、人情ってもんがないんだね!へん、おまえさんは口だけはたっしゃだが、心は氷のようなお人だよ!あんたは、泣きたいくらいに、なにかがほしいって思いつめたこたないのかい。なにかがほしくって、ほしくって、夜もねむれず、それが手にはいらなかったらどうしようと、心配でふるえながら、夜どおし起きていたようなことはないのかい」

p92

こうしてパリを見物しているうちに、ハリスおばさんは、いつのまにか、この外国の大都会がこわくなっていた。というのも、ふたりが案内してくれたところは、ハリスおばさんと同じような人々ー素朴で、はつらつとしていて、体裁をつくらずに、汗をながしながして働いている人たちーのあつまる町や暮らしの場所で、そこは、ハリスおばさんがロンドンでやりぬいてきたのと同じ世界だったからである。

p149

ハリスおばさんには分別があった。彼女は、きびしい社会のあら波の中を生きぬいてきた、足を地につけている人間だった。思いをふくれあがらせて、くよくよといつまでもなやみはしなかった。

p193

感想。
ハリスおばさんはもうすぐ60歳になるけれど、ディオールのドレスに一目ぼれしてから、いつか自分の力で購入するために汗水たらして働く。
「働く」という意味について最近考えていた私自身にとって、ハリスおばさんのまじめで堅実で、着実に歩みを止めない姿に感動した。
何よりも、「これは私の稼いだお金だ」と胸を張って札束を出すところがかっこいいし、賞金だとかロトだとかに頼らず、誠心誠意自分でコツコツ貯めたお金だというところがかっこいいなと思った。
私自身もついほしいものがあると爆買いしてしまうこの頃だが、ハリスおばさんのこの本を読んで「ほしいもののために着実に努力する」という意味について改めて考えることができた。
この本に影響されてか、ずっと前から行ってみたかった場所へ旅行する勇気も出たし、結局は今目の前の選択をいかに未来につながっているか意識することによって毎日が変わってくるのだと感じた。
ハリスおばさんも「ほしい」と思わなかったらそれは購入できなかったわけであるし、そのための努力もしなかったはずだ。年齢がどうとか、お金がどうとか言い訳をするのではなく、自分自身が今何ができるかを考えて行動している姿こそが美しかったし、だからこそパリの人たちも彼女の内面から湧き出る性格の良さに魅了されてたくさんの友達ができたのだと思う。
私もそんな人徳を詰めるように、自分の夢に向かって再出発していきたい。


2024.3.5 明日も仕事。ももこ。


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