見出し画像

「在日朝鮮人 歴史と現在」は役にたつ

年末年始に「焼肉ドラゴン」という映画を見た。
焼肉の本を読んで、焼肉がマイブームで、焼肉にまつわるエンタメを見たかったからだ。

しかし、この映画ぜんぜん焼肉にまつわるドラマではなかった。
でも、とても良い映画だった。

ポスターデザイン、さすがに酷いと思う。


舞台は1970年、高度経済成長から取り残されたバラックに住まう在日朝鮮人の家族のドラマだ。
映画の最後では家族がバラバラになって終わる。
南(韓国)に帰るもの、北(北朝鮮)に向かうもの。日本に残るもの。この家族より先を生きているわたしには考えさせる余韻を残した。

在日コリアンを主人公に据えたドラマの超傑作に、Apple TVで見れる「Pachinko パチンコ」 がある。
マジもんのマジで素晴らしすぎるドラマ。オールタイムベスト•ドラマといっても過言ではない。
世界的にも評価されているミン・ジン・リーの原作小説も、いつか読まねば!!と思い、3年は経っている。今年は絶対読もう。
まず買えって話。

表紙が良すぎる。

良いエンタメを触れた後に、わたしはいつも考えることがある・・・。自分はザックリとしか物事を知らない、と。
せっかく焼肉→70年代の在日朝鮮人、まで足が伸びたのだ。この機会なので詳しく書いてある本に頼ることにした。


この岩波新書はとても良い本だった。
補完できたらイイなと思っていたことが網羅されているタメになる本だった。

1800年後半から安い労働力という名目で、朝鮮から炭鉱労働者の雇い入れから本書はスタートするが労働環境の過酷さや賃金が支払われないことで、失踪してしまうという顛末が書かれていた。、、、コレって今の外国人技能実習制度となんという既視感。
マジかよ。100年以上経ってもぜんぜん変わらないのか…。

朝鮮併合、日本の朝鮮支配とその歴史の中で一気に肥大化する朝鮮人労働者。その後は日本軍から解放された朝鮮半島へ帰っていく方々も多かったようだが、その中で日本残留を決めた人々が在日朝鮮人となる。
風当たりは相当強かったようで、レッドパージも重なり、在日差別が暗く深く根をおろしていったとのことだ。
一方で、高度経済成長で日本で成功する朝鮮人も多く現れ、パチンコ、焼肉業界で日本の経済発展に貢献したとのことだ。

在日の権利団体の下支えとなった共産党。ジジイ世代に多いこびりついて反共思想の一端も知ることになる。

80年代以降になると、バブル景気に押されていわゆるニューカマーが多く日本に滞在することになる、新大久保のコリアンタウンはほとんどがニューカマーによる事業者がメインとのことだった。


尊大だが、本のおかげで在日朝鮮人の定住化の歴史をざっくりとサマリーすることができた。(と思いたい。)
在日朝鮮人の生きづらさをテーマにしたドラマや映画をみるさいに一歩だけ理解を深めた状態で挑むことができそうだ。

いいなと思ったら応援しよう!