「世界でいちばん透きとおった物語」は役に立つのか
「ボディを透明にする。」
埼玉愛犬家殺人事件の犯行の手口だけど、不謹慎ながら、はじめて耳にした時はポエミーだなと思ってしまった。
「世界でいちばん透きとおった物語」
この本は、“透きとおった物語”とは何なのか?を探っていくミステリーになっていた。
本のカバーに「電子書籍化絶対不可能」なんてBIGヒントが書かれていた。
甘すぎる、ヒントが過ぎる。導き出される仕掛けが限られるじゃないか!!
舐めるでない。
小賢しく、紙の本ならではのいろんな方法で読んでみた。
一行飛ばして読んでる時は、「電子書籍でもできるくね?」と思ったりもした。
分からなくて火に炙ろうかと思ってたら、とうとう結末まで読み進めてしまった。
そもそも本のトリックや犯人に気づいたことが一度もない。
「犯人がわかった!」と思ってもそのあと必ずひっくり返させる。
自分が鈍いとは思いたくないが、間違いなく鈍いのだ。
話が飛び散らかすけど、小説内のバリキャリウーマンがこんなことを言っていた。
これ、よく聞く。
日常でもよく登場するセリフだ。
言ってる趣旨はわかるけど、理解が難しい。
会社勤めのわたしは、仕事は小さな全体主義の中にある“わたくしごと”だと思っているところがある。
このバリキャリのマインドは完全に全体主義仕草に思える。
そう、わたしは変なところに躓く、やっかいなんだ。
鈍い自分に話を戻すと、“わからない”で一番に思い出す小説は、横溝正史の〈本陣殺人事件〉
これに至っては、トリックを読んでもさっぱり分からなかった。
世界に問いたい、本陣殺人事件を読んでトリック理解できた人いますか?
殺人の動機に関しては、キモすぎたので発想になさすぎて推理の余地がなかった。
ついでに言っておくと〈獄門島〉だってキモすぎる。
無理なものは無理。やっかいは、やっかい。
役に立ちそうにない。