とある日本語教師

ひょんなことから日本語教師の道を歩み始め、今では技能実習生の日本語教育をしながら監理団体の仕事も少し分かるようになりました。 日本語を教えるだけではなく、総合的な意味でのサポートができる人材になるべく日々奮闘中。

とある日本語教師

ひょんなことから日本語教師の道を歩み始め、今では技能実習生の日本語教育をしながら監理団体の仕事も少し分かるようになりました。 日本語を教えるだけではなく、総合的な意味でのサポートができる人材になるべく日々奮闘中。

最近の記事

2年間と1か月

かたや2年間日本語を学びながら生活し、かたや1か月だけ講習センターで勉強してすぐさま働くという対照的な留学生と技能実習生。 ここでは留学生はひとまず置いておいて、技能実習生について。 企業は彼らの日本語力にある程度の期待と思い込みを持っているように思います。 簡単に説明すると、技能実習生は入国前、入国後ともにざっくり200時間程度日本語を学ぶことが義務付けられています。 あなたは時間も?と思いますか?はたまた200時間だけ?と思いますか? ここで質問。 あなたは義務教育

    • 企業がイメージする技能実習生の日本語レベルとは

      入国して1か月で、会社でフルタイムで働くことになる実習生。 さぞ日本語が仕上がった状態で来るんだろう、お思いでしょう。 会社からもそれなりのコミュニケーションがとれるレベルで入職する事が期待されるわけです。 ですが、人気の無い、地方(いわゆる田舎)に来る実習生に関していうならば、ふたを開けてみると到底そんなレベルには達していない事がほとんどです。 もちろん現地の送り出し機関(日本語センター)の取り組み方で大きく変わるのでしょうが、不自由なくコミュニケーションができるなんて事

      • 入国したての留学生と技能実習生の日本語力はというと

        留学生、技能実習生ともに日本に来る前におよそ150時間~180時間程度の日本語を勉強したうえで入国するという前提があるのはご存じでしょうか? 先にひらがな、カタカナを覚えるのも相当大変だろうな、という話をしただけにここはひとまず一生懸命勉強したけど覚えられなかったという事にしておくことにします。 では、同程度、最低限の時間数の日本語学習をしてくる留学生と技能実習生、どちらが日本語が上手な状態で入国するでしょうか。 国籍など違いはあるのであくまで私の感覚ですが、実習生の方が

        • 教案を載せたりみたいな事は私にはできないので・・・。

          色々な皆さんが教案をこちらに載せられているのを見て、私もついクリックをしてなるほどなるほど、と読んでいくと、 ここからは有料・・・ の文字にぶつかり、いつかご縁があれば、とそ~っと閉じます、すみません。 で、私はそのようなテクニックを今現在持ち合わせていないので、 日本語文法以外の事をここに書いていくしかありません。 ずばり外国の皆様の生活トラブル、そして生活習慣の違いについてです。 留学生も技能実習生も含め、日本でこれから生活しようという全ての外国の皆様はおそらく多く

          ひらがな、カタカナを覚える難しさについて想像してみる

          日本人にとってはもちろん当たり前のように読んだり書いたりできるひらがなやカタカナですが、そもそもひらがな、カタカナ各46文字(濁音、拗音などをふくめると各106文字)を外国の方々が覚えるのって簡単な事なのでしょうか? 普段なんとなくアルファベット26文字ですら、必死に覚えた中学時代を想像するに、私たちが思っている以上に大変なんじゃないかと思った私は数年前、外国の方達の立場になろうと、タイ文字を勉強してみたことがあります。 曲線がくるくるしたあの文字、外国の方から見るひらがな

          ひらがな、カタカナを覚える難しさについて想像してみる

          日本人は技能実習生より「上」ですか?

          日本語学校に入って選挙かってくらいの自己紹介をしたと書きましたが、 これには前職の経験が大きく影響しています。 前職は技能実習生も働いている会社で働いていました。 まだ技能実習生というのがどういう制度でなんなのかもわからず入社した初日、もちろん私は全員に頭を下げて自己紹介をしました。 その中に技能実習生もいたわけですが、 年齢は確かに自分より若いですが、明らかにとんでもなく私を「上」に扱ってくる感じがなんだかとても居心地が悪く、とても違和感を感じました。 この違和感の正

          日本人は技能実習生より「上」ですか?

          とはいっても 対「大人」

          そんな衝動に突き動かされ、30代にして新米日本語教師となった私。 日本語学校。「学校」のイメージをもって入職したものの、 周りを見渡せばまだ10代もいるけど、20代、中には30代の学生も。 しかもクラスはたくさんある、担任を任されているわけでもない。 先生に紹介されて黒板に名前を書いて自己紹介する機会なんてそうはない。 そうこうしている間にこの知らない日本人は誰なんだという奇異の目が向けられる。 どうやって自己紹介すればいいんだろう・・・。 大声で叫べばいいのか、それ

          とはいっても 対「大人」

          日本語で日本語を教えられるってホント?って普通思うよね。

          ”はさみを貸してもいいですか” 実習生の発したこの一言でそれまでこの仕事の存在すら知らなかった私が、 「外国人 日本語 教える」みたいな検索ワードから初めて知った『日本語教師』という仕事。 外国語が話せなければなれないと思っていたその仕事が”日本語で日本語を教える”のが一般的だったという事実。 そんな事できるのか?それって効率的なのか?と色々思いましたが、それはまたの機会に話します。 そこからは自分でも驚くほどのスピードで行動に移しました。 日本語教師養成講座の日程を調べ、

          日本語で日本語を教えられるってホント?って普通思うよね。

          私のターニングポイントとなった実習生が放った一言とは、

          ”はさみを貸してもいいですか?” いや、今はさみいらないし・・・。 ではなく、 この一言、とある技能実習生が ”はさみを借りてもいいですか”を言い間違えたものなんです。 それも日本に来て3年経ちもう間もなく国に帰る子から発せらたもの。 3年経つのに『借りる』と『貸す』も分からないのか! (今思えばただそれだけの問題ではないのですが。) 私を衝動的にそう思わせたこの一言こそ私を日本語教師にいざなうキラーワードだったのです。 またしてもつづく

          私のターニングポイントとなった実習生が放った一言とは、

          私が日本語教師になったきっかけ2  ~とある実習生の一言~

          いざ、外国の方達と接してみるとまぁ、みんな気さくで陽気でした。その時一緒に働いていたのは中国、タイ、フィリピンの面々。 また、技能実習生と日本人従業員という関係性からというのもあるでしょうが、総じて礼儀正しかったのも覚えています。 ただ、やはり日本語でのコミュニケーションはスムーズにできるのかというとそんな事はなく、お決まりのやりとりかジェスチャーでのやりとりが主なコミュニケーションでした。 分からない方のために説明すると技能実習生は一般的に3年で終了して帰国します。(実習

          私が日本語教師になったきっかけ2  ~とある実習生の一言~

          で、私が日本語教師になったきっかけ

          20代の私は日本語教育にはもちろん無縁でしたし、そもそも日本語教師なんていう職業の事すらしりませんでした。 更に言うなら英語もろくに話せない私は「外国の人」に対して当時の一般的な日本人同様に身構えてしまう人でしたし、ムスリムの女性がヒジャブをしていれば未知の怖さを感じていたと思います。 それが30代で仕事に就いた農業の仕事の時に技能実習生と一緒に働いた事をきっかけに一気に「外国の人」に対してのある種のアレルギーがなくなっていったのです。 つづく

          で、私が日本語教師になったきっかけ

          日本語教師という仕事

          仕事、何してるんですか?と聞かれ、 「外国の人に日本語を教える仕事です」というと、けっこうな確率で、 "すごい!語学堪能なんですね" のような反応が返ってくるのは日本語教師あるあるだと思います。 現状の特に日本語学校の日本語教育は、日本語を使って日本語を教える いわゆる「直接法」という方法で教えるのが一般的ではあります。 なので私は英語すらろくに話せませんし、 日本語しか話せませんという日本語教師はまぁまぁ多いのではないかと思います。 そんなこんなで、今日から日本語教

          日本語教師という仕事