第11回クラス会議を終えて
10/17
第11回クラス会議は、いつもと違う環境で行いました。教育実習生が2人。他にも3人の先生が参観に来てくれました。参観者がいるというのは、それだけで緊張します。それが原因かは分かりませんが、子どもたちはどこか落ち着かない様子でした。しかし、表情を見ると「やるぞ!」という気合いが入っているようにも見えました。
最初は、前回の相談者に、「一週間試してみてどうですか?」という問いかけからです。「自学に取り組めようになってきました。宿題の時間も少し減りました。2冊目を終えることができたので、大丈夫です」と答えました。こうやって「経過」や「結果」を聞くことで、「うまくやれているんだな」「解決案を考えてよかったな」という気持ちになります。
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今回のクラス会議を見ていて、気になることがあったので、フィードバックで伝えました。
1つ目は、司会者の振る舞いです。「司会者はフォロワーシップに徹することが大切」と伝えました。最初は、二人の相談の声が大きかったです。さらに、無駄な動きが多くあり、「気になる人は気になるだろうな」と思いました。そこで、そのことをこっそり指摘しました。その後は、そのことを意識して司会進行してくれました。とても上手でした。さすが、前期学級の二人だなと思いました。
2つ目は、データの活用方法です。1組では、タブレットで調べて、解決案を出すことがあります。今回もそうでした。しかし、調べたことをそのまま読み上げるだけで、「解決案」として自分の考えは伝えてはいませんでした。このことがすごく気になりました。クラス会議で大切なことは「寄り添う」ことです。「調べる」ことは、寄り添うことにあたると思います。しかし、それを読み上げるのは違うと思いました。レベルアップのためにも、調べたデータを「活用する」ことを意識してほしいと思います。
3つ目は、「罰」を与えることです。解決案を考える際に「罰を与える」ことはよくありません。罰を与えても人の心は変わらないからです。今回は、解決案の中にそれがいくつか出てきました。「罰を与えることはよくない解決案だよ」と伝えたところ、ある男の子は「1学期にも言われていたことだったので、改めて罰を与えてはいけないことを思い出しました」と言ってくれました。
今回のクラス会議を眺めてみて「すごいな」と思うことがありました。それは、困っている人に寄り添う姿でした。例えば、板書をしていた彼女に対して、もう一人の司会者が「待って。彼女の様子を見て、言ってほしい」と。彼女も一所懸命に書いています。しかし、どうしても書き遅れてしまうことがあります。その姿を見て、皆に声をかけました。
司会者の二人に対して、ある女の子がメモ用紙を見せる姿がありました。クラス会議の最後は、相談者に感想を聞きます。「どんなことを思いましたか?」「どんな気持ちになりましたか?」「何を決めましたか?」という3つの質問をして、感想を聞くというものです。聞き方(内容)もそうですが、この順番にも意味があります。そのことをメモしていた彼女が、司会者の二人に伝えていた場面でした。
今回の会議ほど、自由に立ち歩き、困っている人に「こうだよ」と教える姿はありません。先日の「福祉実践教室」のふり返りの中で、「障がいのある人や高齢者だからではなく、『困っている人』がいれば助けたい」「それが、本当の福祉」だと学びました。それを、行動にうつしているんだなと思い、とても嬉しい気持ちになりました。
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参観に来てくださった先生方に感想を言ってもらいました。教育実習生の彼女は「絆が感じられました」と。彼からは「これからもこの団結力を大事にしてほしい」と。同じ学年の彼からは「自分事として悩みを捉えられていることがすごい」と。昨年度同じ学年を組んでいた彼からは「昨年度の6年生の時を同じようにやっていて、レベルが高い」「皆が、平等に意見を伝え合っていることがすごいです。3年生にも伝えたいです」と。教務主任の先生からは「全員が喋っていること。先生が何もしなくても、自分たちで司会をし、進めていること。男女の仲がよいこと。本当に素晴らしいと思う」と、褒めていただきました。子どもたちを見ると、ぼくが伝えるよりも嬉しそうな表情をしていました。
たくさんの人に見てもらったことで、子どもたちはいつも以上に真剣に取り組んでいました。そして、ちょこっと背伸びをしていました。成長にはこの背伸びが大切です。とてもよい経験になりました。これが、「自信」につながればいいなと思います。