音楽:「テイラー・スウィフト」の何がスゴいのか?~戦略的な音楽性の変化
以前、投稿しました「ビリー・アイリッシュ」に続く「何がスゴいのか?」シリーズになります。
書く内容(立て付け)は以前とそろえようと思います。
テイラー・スウィフトはアメリカのシンガーソングライターですが、現在進行形で非常に人気かつ実績もあり、海外セレブとしてエンタメニュースなどで日本でも取り上げられることがあるため、皆さまもおそらく、名前は聞いたことがあるし、何曲かもしくは一曲くらいは聴いたことがあるかもしれませんね。
一応、おそらく日本で一番知名度があるかな?という楽曲をご紹介しておきます。
●テイラー・スウィフト - シェイク・イット・オフ(LIVE):
※とんでもないステージ演出・パフォーマンスなので必見です!
※それにしても、アメリカえげつな笑。こんなん観たらそりゃみんなスキになっちゃいますよ(説明なんていらない)笑
(ちなみに来年2月に来日して東京ドーム4デイズ公演します!東京ドーム4デイズは海外女性アーティストとしては史上初だそうです!ちょうど明日からチケット申し込みスタートなのでご興味ありましたら→https://taylorswift-theerastour.jp/なおツアーはスタートしていて3時間以上歌うらしいです!スゴいタフネス!(カラオケでもぶっ続け3時間歌えます!?))
では、本題の「何がすごいのか?」について書いてみたいのですが、(比較的)客観的な指標としてアメリカで最も権威のある音楽賞とされる「グラミー賞」についてと、それに対するテイラー・スウィフトの実績について軽く書きたいと思います。
グラミー賞には様々な音楽ジャンルに対して多くの賞があり、その中でも「主要四部門」という音楽ジャンル横断的に選出される四つの賞にノミネートされること、ましてや受賞することは更なる名誉とされています。
そして、この主要四部門のなかでも「Top of Top」とされるのは「最優秀アルバム賞」(以下、アルバム賞)という、要するに「この一年で最も素晴らしいアルバム作品と創作者」に贈られる賞です。
この賞をグラミーの長い歴史上(現時点で65年)、最も多く受賞しているのは、男性で「スティーヴィー・ワンダー」の3回、そして女性ではテイラー・スウィフトの同じく3回の、2名です。
従って、グラミー的には、テイラー・スウィフトは、あの!あのですよ!スティーヴィー・ワンダーと「同等」の素晴らしい(アルバム作品を創り出した)アーティストであると、見なしているわけです!スゴくないですか!?
では、テイラー・スウィフトはなぜこのような偉業を成し遂げることが出来たのでしょうか?
ここからは、私の見聞きした情報と私個人の考察になるので、「そういうことを言ってる人がいた」程度にご認識いただきたいです。
結論を先に申しますと、
「戦略的に音楽性(音楽ジャンル)を変化させ、その各音楽ジャンルにおいて最高のアルバム作品を制作することに成功した」
次に、
「メディアが報じる自身の交友関係(恋人・友達)を逆手にとって、自身の「実体験」を歌にして、世の中の関心・話題の的となるよう仕掛けている」
最後に、これは前回のビリー・アイリッシュにも共通するのですが、
「いち早くインターネット、とりわけSNSを活用し「テイラー・スウィフトの世界」を創造し、ファンとの間に強靭なコミットメントを確立した」
という点が、彼女のスゴい主な理由であると個人的に考察しています。
---(以下は詳細(ご興味がありましたら))---
1つ目の、音楽性についてですが、テイラー・スウィフトは元々はアメリカの「カントリー」(イメージ的には日本でいうところの「演歌」みたいな扱いの音楽ジャンル)のシンガーソングライターでした(ゴリゴリのカントリーではなく「現代的」ではあるのですが)(ご紹介した曲からは想像できませんが一応証拠の映像(このパフォーマンスもスゴい!):
このカントリー音楽で頭角を現し、カントリーのアルバムで最初のグラミーのアルバム賞を受賞しています。
この賞を一度でも取れたということだけでも、とてつもない偉業なのですが、過去のグラミーのアルバム賞の受賞歴を顧みると、そうそうたる面々がつらなっているのですが、2回以上受賞しているアーティストはとても少ないです。
それはなぜか?
多くのアーティストは基本的に「自身の音楽性」というものを、少なくとも要の部分は、そのキャリアのなかで大幅に変えることがあまり無いことに関係があると思っています(普通は自分の強みを追求する傾向がある)。そして、グラミーの立場からすると「そのアーティストの音楽性においての最高傑作はアルバム賞を受賞した作品である」と考えている節があるので、一般リスナーがいくら「今年この(アルバム賞受賞したことがある)アーティストのアルバムは最高傑作だ」と言っても、(よっぽどの作品でない限り)グラミーは認めないわけです(そういった場合、その音楽ジャンルの賞を贈りガス抜きをしている)。
では、テイラー・スウィフトは何をしているかというと戦略的に「音楽性を常に変化させてアルバムを制作し続けている」のです。具体的には、
カントリー→ロック→ダンスポップ→フォーク→ポップ
といった具合です。
なぜ、そのようなことが出来たのかというと、彼女は曲を積極的に他の音楽ジャンルのプロフェッショナルの人と供作しているためだと考えています。ただ、供作自体は多くのアーティストも行っている手法です。しかし、彼女はその変化する音楽性に、まるで「私は最初からこういった音楽をやっているプロフェッショナルよ」と言わんばかりに各音楽ジャンルで最高のアルバムを創り出しました。これはもう他のアーティストが真似できない、彼女の神がかり的な才能という他ありません。
従って、音楽性(ジャンル)を変化させたアルバムなので、グラミー的には「アーティストは同じだが、前に受賞した時の作品と音楽ジャンルが違ううえに最高のアルバムだから賞を与えざるを得ない」となっているのだと分析しています。
(音楽性を変化した理由の一つには、「ライブ会場のキャパシティを大きくしたい(ぶっちゃけ儲けたい)」というのもあると思います。想像してみてください「演歌」で東京ドームを満員にする絵が浮かぶでしょうか(その「必要性」も含めて)汗?)
2つ目の、メディアを逆手に取ったアプローチについてですが、日本でも「芸能人のだれそれが付き合っている」とか「あの芸能人がこんな行動をしていた」とプライベートを詮索してくだらない?ゴシップが報じられますが、アメリカはさらに過激な詮索(いわゆるパパラッチ)が行われているようです(以前よりだいぶマシになったみたいですが)。テイラー・スウィフトはそういって報じられた自身のゴシップ(恋人・友人関係など)を自身で裏付けるように「これは○○さんとの恋もしくは別れのことを歌っている曲(歌詞)よ」という風な、いわゆる「匂わせ」的な曲(歌詞)を歌っていることで知られています。
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