【音楽レビュー】高柳昌行/ステーション'70
高柳昌行「Live At Station '70」
1970年ライブ録音。パーソネルは高柳昌行(el-g,g)、阿部薫(as,shakuhati,harmonica)。同レーベル高柳昌行の発掘音源第二段。一段目が「10年に1度の大発見!」というふれこみだったのに数ヶ月後のリリース。ちなみに今のところ第三段まであります笑。
買って聴いといてなんですが特に日本のジャズにも高柳昌行にも詳しくなく、また特段好きというわけでもないので、感覚的な覚え書きだけ。
まず音はかなりいいですね。雑音も無いし息づかいまで聞こえてきそうなリアルな音で、阿部薫の尺八に混じる声も鮮明に聞こえます。この点はかなりいいですね。
内容というよりも収録時間なんですが30分にも満たないです。まぁ内容が気に入れば時間なんて気になんないんでしょうが、ボクはケチ症なので少し損した気分になりました。これで他の同じ趣旨のアルバムと同じ値段なんだもんなあ。何にせよ音源が世に出たのは資料的にも貴重なんだろうと思いますし、アルバムのコンセプトを考えるとしょうがなかったんだろうけれど音質はおいといてもうひとこえ音源なかったんですかねえ。ディスクユニオン限定で特典音源付けるぐらいならこのアルバムに入れちゃえば良かったのに…。まあそうなるとボクみたいに「特典?!そのうち無くなるかも…買わなきゃ!」という浅はかな人間をねらい損ねるから商売的には仕方がないか…。ちなみに特典は発売から数ヶ月経った今もついてくる模様笑。
二曲収録されていて、一曲目は阿部薫のソロが幽玄で美しい穏やかな曲。二曲目は「解体的交換」よろしくの激しい演奏でこちらのほうの演奏時間は短いです。というか突然途切れます笑。ボクはよくわからないんですが、一曲が「漸次投射(Gradually Projection)」、二曲目が「集団投射(Mass Projection)」というコンセプトらしいですね。同名のアルバムがありそれを聴けばよりコンセプトがわかるのかもしれませんが、入手が難しいうえにプレミア付いてるんですよね。プレミア付くぐらいなんだから需要もあるだろうに…国内レーベルなんだからサッサと再発すればいいのに…まあ劣価で再発しないかぎり多分一生買わないけれど興味はあります。
ということでまとめると、音が良くて演奏時間も長くなく、穏やかな演奏が中心ということで、飽きることなく気軽に気持ち良く聴けました。