雅楽~宮内庁の〝明治撰定譜〟をネットで見てみよう

一般に、雅楽を習うと言えば、明治政府(雅楽局)が編纂し現在の宮内庁楽部に受け継がれている統一楽譜集、いわゆる明治撰定譜の楽曲を練習します。

全楽器の譜面がネットに公開されている

明治撰定譜の譜面は、インターネットで公開されています。

https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100270332/viewer/1
サイト:新日本古典籍総合データベース(運営・著作=国文学研究資料館)
書名:「雅楽譜」(所蔵者=宮内庁書陵部)

【明治撰定譜の成立経過については、こちらを参照ください】
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc22/rekishi/re6.html
「明治期の改革と第二次大戦」(雅楽 GAGAKU|文化デジタルライブラリー、独立行政法人日本芸術文化振興会)

データベースには、「雅楽譜」とのタイトルの下、全3246枚(71冊)の画像があります。雅楽の全ジャンル・全楽器の譜面の他、舞譜(まいふ=舞い方を文字で記したもの)もあります。
*画像にはライセンスがあります。サイトの説明に注意してください。
*【2020年6月30日追記】データベースの書誌では72冊です。「雅樂譜總目録」1冊+「雅樂譜總目録」掲載の冊数合計=71冊です。

”明治撰定譜”というのは、一冊のタイトルではなく、この全71冊を指す慣用的な呼称です。

このうち、例えば龍笛初心者がまず学ぶ中曲・小曲は、画像ナンバー・2113(画像ウィンドウ右上の数字をポップアップさせて選べる。クリックして数字の直接入力も可)の「龍笛中小曲譜 太食調」以降で、6調子(6冊)を全て見ることができます。

ただ、ある程度稽古が進んでから学ぶ楽曲も含まれていますし、曲の途中で次ページにまたがることも少なくありません。解説もありません。

市販の楽譜はその点、学びやすいように編集されています。編集したのは編者や発行所で、普通は巻末にその名前が載っています。

渡された楽譜で練習するのは、第一です。
でも、明治撰定譜の存在を知ると、「ああ自分はそもそも、これをやっているのか~」と、実体に触れたような感じがします。

(楽譜については、団体の歴史や考え方などにより、明治撰定譜と異なる譜面を掲載している場合があります)

「雅楽譜」笛の部、画像ナンバー メモ

それぞれの譜面集につき、明治9年撰定、明治21年撰定に分けて、楽曲が掲載されている。

構成は次の通り。数字は画像ナンバー(編集作業中)

雅樂譜總目録 1冊
唱物之部 4冊
  催馬楽歌譜 215~
  朗詠譜 258~
和琴之部 3冊
琵琶之部 7冊
箏之部 7冊
鳳笙之部 10冊
篳篥之部 14冊
笛之部 14冊
皷類之部 4冊
舞之部 7冊
【合計 71冊】

以下、笛の部各ジャンルの画像ナンバー

「神樂笛譜」1926~
「東遊 大和歌 笛譜」1996~
「龍笛大曲譜」2041~
「龍笛中小曲譜 太食調」2113~
「龍笛中小曲譜 雙調」2159~
「龍笛中小曲譜 壹越調」2204~
「龍笛中小曲譜 盤渉調」2249~
「龍笛中小曲譜 平調」2301~
「龍笛中小曲譜 黄鐘調」2354~
「髙麗大曲笛譜」2392~
「髙麗中小曲笛譜」2414~
「催馬樂龍笛譜」2469~
「龍笛延只拍子曲譜」2490~
「龍笛舞楽用曲譜」2503


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凛@色×音
社会人初心者が、実技も座学も基礎から系統的に学べる、雅楽伝習所を宇治に創りたいです。