ホントシオリ vol.13
2020.02.12 LOFTproject RooftopWEB 掲載
年月の流れは本当にあっという間で、今年の夏にはアパートの更新になり、(年始に大家さんから新年のご挨拶と同時に更新のお話をされた)「もう、今のお家に住み始めて2年か。」と、気づかされる。
わたしが“トウキョウ”という都市に住み始めて、丸5年が経つ。いまだこの都会には馴染めず(とにかく人が多く、どこに行ってもごみごみしている)、電車もバスも路線が多すぎて、路線図を眺めるだけでもぐるぐると目が回る。
群馬の大自然の中で育ってきたわたしにとって“トウキョウ”での生活は、本当にドキドキよりもワクワク、キラキラした気持ち方が大きくて、電車は数分毎にホームで待っていたら来ることにも感激をしたし(地元は終電が22:00頃だったし、電車は1時間に1本くらい)、コンビニも本当に24時間営業をしているし(ファミリーマートは地元ではすごくレアなコンビニエンスストア)、スーパーだって遅い時間まで営業している。そんなことにとても感動した。
今回はお部屋探しでお馴染みの不動産情報サイト・SUUMOさんが運営をしている「SUUMOタウン」から“東京”に焦点を当てたエッセイ・インタビュー集をご紹介。
なみ(並)じゃない、杉並!
阿佐ヶ谷ロフトAと阿佐谷パールセンター商店街
監修:SUUMOタウン編集部「わたしの好きな街 独断と偏愛の東京」ポプラ社 ¥1,400+tax
上京をするきっかけは、前職(アパレル)での転勤。元々群馬で生活をしていた頃からお休みの日はもちろん、仕事が終わってから数時間でも自由な時間がうまれたらすぐに東京へと遊びに出かけていた。専門学校が東京だったので、東京の友人に会ってごはんをしたり、ライブを観に行ったりと週3日間くらいは東京での限られた時間を過ごし、そんな生活を当時の上司とランチをしながら話をしていたら「そのまま東京で働いてみる?新店もできるし!」と。数週間後には店舗や勤務形態も決まり、本当にあれよあれよとあっという間にトウキョウへと流れ着いた。(笑)
“やっとトウキョウへ行ける!”と喜びに満ち溢れていたんだけど…いざ、物件を探してみると地元では考えられないくらい(一軒家が借りられるかもしれない)凄まじい家賃代に眩暈がした。群馬での生活は、3LKに駐車場2台分が付き、2階角部屋で約¥60,000くらい(築5年でお風呂とトイレはもちろん別だし、追い焚き機能も付いているし、ウォシュレットだし、カウンターキッチンで本当に最高だった!)で1人暮らしには贅沢過ぎるような生活を当時はしていて、(その前の家も1Kの駐車場2台付き2階角部屋で家賃¥25,000)同じような感覚で調べていたら家賃¥30,000のお部屋なんてほとんどないし、あったとしてもお風呂がなかったり、夜になると怖くなりそうな感じで、少し上げて探してもやっと¥50,000くらいで駅から徒歩10分くらいの1階のお部屋とかが出てくることに、すごく驚いた!(これがトウキョウシティなのか!と)
初めて住んだお部屋は、西永福駅から徒歩10分くらいの1K6.5畳の元ガレージ。家賃¥32,000だった。前は駐車場として使われていたところを改装して、人が住めるようになったんだけど、ガレージだったからこそなのか、風通しが悪くて、常に湿度が89%以上。革製品はすぐにカビてしまったり(おまけに陽の光は完全に遮断されている)、床から天井までの距離が165cmくらいで背伸びをすると天井に頭をぶつけるし、なぜかお風呂場には毎日必ず蛞蝓(毎日出てくるから名前を“エリザベス”と付けて…飼っていた。)が2~3匹くらいくっついていたり、お部屋の中にはカマキリやバッタもいたり…。(不思議とゴキブリはいなかった。)とにかく、固定費としての出費を抑えたかったし、自然も好きだったので、別に特別な不自由もなく2年間住んでいた。
もう少し住んでいても良かったんだけど、当時はアパレル、阿佐ヶ谷ロフトAでの深夜、アパレルがない日の昼間には渋谷のカフェ、夜は高円寺のガールズバーと、4つの仕事を掛け持ちしていたので(アパレルを辞め数年経つので副業も時効だろう)“とにかく、早くお家に帰りたい”という気持ちが日に日に強く芽生え、とくに阿佐ヶ谷ロフトAからの帰り道は歩くとお家まで約50分くらいかかり、その時間に寝れる!と思ってしまい、阿佐ヶ谷ロフトAのある、阿佐谷へと我が都を移すことに決めた。
職場と私生活は切り離したいタイプなので、そこまで近すぎず、遠すぎず…そんなお部屋が今はとっても気に入っている。(最近、お洒落なアパレルのお店にありそうな大きなアンティーク調の姿見を手に入れたり、化粧品やお洋服も安くて品数多くではなく、高いものをしっかりと管理できる範囲で手にし…とにかく毎日、早くお家へ帰りたくなる。)
阿佐ヶ谷ロフトAのある阿佐谷パールセンター商店街。わたしの生活するほとんどの時間はここにある。向かいにあるセブンイレブンでは店員さん達と顔馴染みにもなり、「おはよう!」「年末年始はいつまで仕事?」とかメルカリの配送方法やレジに行くだけで、わたしの愛煙する煙草が出てきたり。(いつもありがとうございます♡)夏の七夕まつりでお世話になる、練り物屋さんの大将や南阿佐ヶ谷の方へ行くとある八百屋さん達も挨拶をしたり、たまにおまけをしてくれたり、コーヒーショップのお兄さん、お姉さんもそっとガムシロップを1個だけブラックコーヒーに入れておいてくれたり…。
“トウキョウ=怖い・冷たい”と勝手な偏見を抱いていたんだけど、商店街のある街に住んでみて、すごく人の温かさを感じられたし、「やっほ!」って気軽に挨拶をできる人が街全体にいる(これは言い過ぎてる)っていいな、って。
これから新生活を始めるあなたにも心がほっとできるようなステキなあなたの“トウキョウ”を生きて欲しいな、と思う。
住めば都とよく耳にするけれど、本当に都にするのもしないのも結局は自分次第。楽しもうと思えたらあなたにとっての“都”になるものよ。きっと、ね!
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