後輩の悩み。
後輩が悩んでいるみたいだった。
僕は近づき、声をかけた。
「元気ないね。何か悩んでいるの?」
後輩は、僕の顔を見て、小さく微笑み、頷いた。
「もし良かったら聞くぐらいなら出来るから。それでもしかしたら心が軽くなるかもしれないし」
後輩は、少し遠くを見つめ、
「蟻って、なんであんなに働くんですかね。同じ生き物なのに、僕は、黄昏の彼方で、流れ星ばかり探している。きっと、弱いものには女神なんて現れない。傷ついた方は立ち尽くすのみなのかなって」
と、真剣な表情で言った。
「……」
何の話だ……。
僕は、空を見上げ、
「そうだな……」
と、言った。
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