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75冊目【本のはなし】会社のミーティングで慌てたくないんです!!/朝活53日目

会社のミーティングで、私は油断をしていた。

私は派遣社員だ。ある企業でちょっとした労務関係の仕事と資料作り、つまりルーティンとなっている業務と突発的な業務の両方をこなしていく感じだ。


課内ミーティングが行われれば、参加もする。日々の業務報告だけ発言をすれば、あとは、聞くに徹するで良い。


そんな風に過ごして数ヶ月。
会社を一新したことをきっかけに社員が会社理念等を話し合う機会を設けられた。母体となる会社はあるにはあるが、一からのスタート。


そんなことは、今までの社会人人生においてはじめての経験。とにかくオープンに、話し合いの場を設けるという会社側の目的もあるのだろうか…


ちなみに本社には、社長オススメの書籍コーナーがあって、先日読んだ「雑談力」の本も置いてあった。有益な雑談力を育む狙いがあるのか?と深読みをしてしまう。


自分の意見。まずは、開示して良いと思う意見を選別することから始まる。平和に、一人も不快に感じない、同調的な意見、となると残るのは2割程度。


この2割、まだ言葉になっていない。
「なんとなく…◯◯みたいな〜」とふわっとしたものだ。発言はできない。まあ、派遣社員である私には、このテーマで発言しろなんて言われないだろうな〜と、気持ちリラックス状態で聞いていた。

こんな感じでリラックス〜。


ちなみに私が所属する課は、少人数ながら全国の各拠点に席を置いているため、基本はzoomでのミーティング。意見を聞くならば、拠点が移動していく。例えば「関東方面」チームに聞いたら次は、「関西方面」チームと移動していくというイメージだ。


私をはじめ、我々の拠点は、みなそう思っていたのだが…その日、同じ拠点の方が発言した次が私だった。周りもざわつく、私も慌てる。


テーマが、はっきりしているようでぼんやりとした会社理念。「自分たちの行動に会社理念をよせるには、どういう行動をするべきか?」だろうか。


はっきりしているな。
しかし、落とし込めていない。事務方の、しかも契約してある枠内(派遣先担当者からの依頼)の業務をする私に聞くか?


最初に出た、私の意見。これは言ってはダメだ。その場の雰囲気を壊してしまう…慌てて捻り出すも出てこない。沈黙も嫌になる。


ならばと、脳内をひっくり返す。出てきた言葉。「丁寧に、迅速に業務する」だった。その理念に沿った意見はこれくらいだ。丁寧に、迅速に、相手の求めることのプラスαで動けたら最高。ぼんやりと思っていた気持ちを言葉にするならこれしかない。

それで終わるはずだった。それについて、なぜそれを掲げるのかという理由を求められた。真っ白な霧の中から手探りで出てきたこの言葉の理由なんて、あるわけがない。


「丁寧に迅速に、そう思ったからそうなんだ!」小学生のような言葉がつい口から漏れ出てしまいそうになるのをゴクンと飲み込み、それらしい言葉を取ってつける。


「なるほど、ありがとうございます」とは、部を統括する上司の言葉。なんとなくモヤモヤとした気持ちだけが残ったものの、ミーティングは続いていく。


誰にも聞かれぬように、細いため息をつく。
意見が薄っぺらいんだよな…考えてないわけではないと信じたいのだが、感覚で生きてきた43才。


ぼんやり、こんな風に感じてたのかな?仕事に対しても特に意味付けなんてする必要がなかった。この仕事のその先の人のため、というのはあるにはあるが、困らないといいな程度。


だいたいそんな「感じ」で過ごしてきた日々だ。


そういえば、国際的に活躍したい。そんな風なことをぼんやりと考えていた10代の私。海外の方の会話の豊富さ、主義主張がしっかりしていることに驚愕して尻込みしたんだったっけ。そのまま、時は過ぎ去っていっていたのだな。


この本を読もうと思ったきっかけは、ミーティングでの不甲斐なさに辟易したからだ。

「自分の意見」ってどうつくるの?(平山 美希)


文章を書きはじめてから、内観をする頻度が増えた。せっかくの機会なのだから「自分の意見」をつくり、深く考える訓練をするべきだ、そう私は私に訴えている。


もう、会社のミーティングで慌てたくない!!

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シマコシマ
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