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龍馬が月夜に翔んだ

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2023年10月の記事一覧

時代小説『龍馬、その傷を見よ!』

時代小説『龍馬、その傷を見よ!』

「先生、伊東甲子太郎様の配下の御陵衛士と名乗るお武家様が、御用改めに来られております」

元相撲取りで用心棒の藤吉が二階に上がってきて告げた。

「俺に会いに来たのか」

「いや、中岡先生をお探しに来られたと察します」

坂本龍馬と中岡慎太郎、顔を見合わせる。

「何人だ」

「お二人です」

「分かった。俺が応対する。通せ」

火鉢を挟んで北側の床の間の前に龍馬が座り、南側に慎太郎が座っていた。

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