【不登校の親 体験記】不登校の息子を育てて④
おこのみ会代表の国賀です。
私は愛知県安城市で不登校の小中学生と親の居場所『おこのみ会』を運営しています。
自分自身の不登校児の子育て経験を書いています。
悩みを受け入れてくれる場所
息子との日々に限界を感じていた私は、誰かに悩みを相談できる場所を探しました。
インターネットで調べた結果、近くの福祉センターで不登校の親の会が開かれていることを知り、一歩踏み出すことにしました。
しかし、その一歩を踏み出すのはとても不安でした。当時の私は精神的に追い詰められていて、親の会で『学校に行かせるべきだ』『育て方が悪い』と言われたら心が折れてしまうのではないかと、恐怖を感じていたのです。
それでも、藁にもすがる思いで参加を決めました。
緊張しながら向かった親の会では、私の苦しみや葛藤に共感してくれる方々がいました。
息子を受け入れようとする私の気持ちをそのまま受け止めてくれ、「悩んでいるのは私たちだけじゃない」と実感できたことで、本当にホッとし、力が抜けたのを覚えています。
一歩踏み出して得られた支え
その後、私は親の会に定期的に通い、自分の気持ちや状況を話しました。
毎回涙が止まらず、それでも誰かに話を聞いてもらうことで、少しずつ気持ちが軽くなっていくのを感じました。
この経験を通じて、一歩踏み出し助けを求めたことで、多くの方々が手を差し伸べてくれるようになったのです。
不登校を機に私からなかなか離れられなくなった息子とずっと一緒にいるのが辛いと弱音を吐くと、フリースクールなどの情報を教えてくださる方もいました。
親の会で知り合った方の紹介で、メンタルフレンドとして我が家に大学生の男の子に来てもらえるようになりました。 家でゲームに付き合ってもらったり、いろんなところに遊びに連れて行ってもらったり。
楽しそうな息子の姿を見ることは私の救いでしたし、少しでも私から離れる時間が出来たことで心のゆとりにも繋がりました。
児童センターに遊びに行った際には、先生たちが温かく迎え入れてくれ、息子が平日の昼間にいても嫌な思いをしないよう配慮してくれました。
他にもまだまだ書ききれないくらいの多くの支えや思いやりを受けたことに、心から感謝しています。
温かい支えの中での「恩送り」の気持ち
その時は、余裕がなくて十分なお礼を伝えることができなかったかもしれませんが、支えてくださった皆さんは「いつか元気になった時に、その時悩んでいる方に対して恩送りをしてもらえたらいいんだよ。自分もそうしているだけ。」と優しく声をかけてくださいました。
今、私はその恩を『おこのみ会』で恩送りしているつもりでいます。不登校の子どもたちや親御さんに寄り添い、少しでも支えとなれる居場所を作り続けることが、私にとっての恩返しなのです。
人に相談する、助けを求めるということ
その頃の私にとって一歩踏み出して人に相談をするということは、とても勇気のいることでした。
しかし、それ以上に息子との日々や将来への不安を一人で抱えていることが苦しくて、親の会との出会いが本当に救いとなりました。
この経験があったからこそ、私は息子と共に前を向いて歩いていくための新たな居場所を見つけることができたのだと思います。
次回は、私と息子が見つけた新たな居場所についてお話ししたいと思います。