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【不登校の親 体験記】不登校の息子を育てて⑥
おこのみ会代表の国賀です。
私は愛知県安城市で不登校の小中学生と親の居場所『おこのみ会』を運営しています。
自分自身の不登校児の子育て経験を書いています。
◆①のリンク
中学生になった息子
息子は現在中1になりました。
今は学びの多様化学校(不登校特例校)に通っています。
通学には電車を使って一時間以上かかります。
通うことになったきっかけは高学年になった時に電車ブームがやってきたことです。
毎日電車に乗って学校に通えること、鉄道部があることが息子にとっては魅力的に写ったようです。
中学校に通いたいと決めてからは適応教室にも自分でバスで通うようになり、嫌いな勉強も少しずつですが、向き合えるようになりました。
途中で「やっぱやめた」と言い出すかもしれないと覚悟もしていましたが、結局投げ出さずに受験をしたのです。
学びの多様化学校での学び
学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮した特別な教育を行う学校のことです。
不登校経験者も通いやすく配慮された「学びの多様化学校」とは - #これからの育児 - NHK みんなでプラス
この学校の目的は、不登校の子どもたちが「自分に合った学び方」で学習の機会を持ち、将来に向けた成長をサポートすることです。
実際に息子はタブレットを使用した授業を受けており、苦手な書字は最小限で負担が少ない環境で学びを受けています。
リモート出席も認められており、いつでも家から授業を受けることが出来ます。
毎日個別の授業もあり、個別支援計画に基づいた自分にあった学びを受けられます。
担任もなく、学年の先生たちが全てのクラスの子どもたちの状況を把握し、対応にあたってくださいます。
また好きなことから得意を伸ばそうとゼミの授業もあり、ものづくりが好きな息子はプラモデルゼミを楽しみにしています。
あれほど学校を拒絶していた息子が4月から楽しく通っているのには正直驚きました。
小学一年生の二学期から一度も授業を受けていない息子が、6時間の授業に耐えられるのか、私もそれまで関わってくださっていた先生たちもとても心配しましたが、毎日教室で座って授業を受けています。
たまに疲れるとリモートにしたり、休んでおこのみ会に顔を出したりもしていて、自分なりに休息も取りながら楽しく通えていることには、大きな成長を感じています。
どうして中学校に通えているのか
息子に「あんなに学校嫌だったのに、どうして中学校は通えてるの?」と聞くと、少し考えたあと「行けばなんとかなるって分かったから。」と言いました。
小さい頃から不安が強く、どんなに学校の先生が温かく、柔軟な対応をして迎えてくださっても、学校に行くのが怖かった息子。私がどんなに「大丈夫だよ」と声をかけても無駄で、「嫌だ。」の一点張りでした。行けばそれなりに楽しく過ごせるのに、学校への恐怖心は消えることがありませんでした。
それが今ようやく『なんとかなる』と思えたことに成長を感じて、とても嬉しくなりました。
息子の言う『なんとかなる』は『自分でなんとかすることが出来る(自信)』でもあり、『誰かがなんとかしてくれる(信頼)』でもあると感じます。
その感覚は小学校の六年間、息子が通った複数の居場所で関わった方たち、登校しなくても関わりを切らさず、息子の気持ちを受け止めてくださった学校の先生達のお陰で育ったものだと感じています。
不安な息子の気持ちを否定せず寄り添い、サポートをし、小さな成長を喜び、褒めてくださったことが息子の『なんとかなる』という大丈夫感覚に繋がっているのだと思うのです。
居場所での日々は息子に大きな学びを与えてくれました。
疲れた時に休憩出来る場所
今息子に居場所の居場所は中学校ですが、中学校で疲れが溜まってしまうとお休みをしておこのみ会に参加することがあります。
おこのみ会で楽しく過ごして、また次の日から学校に通いだします。
そういう安心して休憩できる場所があることが、息子の安心感の一つなのだと思います。そしてそういう場所がある子は強いなと感じています。
これから先、環境が変わったりして、心折れることがあるかもしれません。
そんな時でも安心していられる居場所を持っていることで息子自身も、親である私自身も安心していられます。
居場所の形や役割はその子の状況によって変わります。
その時その時で自分にとって必要な居場所を見つけていける、または作っていける力は人生を生き抜く力にも繋がっていくのだと思います。
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