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息子の不登校経験から得られたもの

子どもが不登校になると、親として戸惑いや不安に押しつぶされそうになります。私自身、息子が学校に行かなくなったとき、どうすればいいのか分からず、焦りや苛立ち、悲しみが入り混じった感情を抱えながら過ごしていました。

しかし、その時間を経たからこそ、気づけたこと、学べたことがたくさんありました。今回は、息子の不登校経験を通して得られたものについてお話ししたいと思います。

1. 「普通」にとらわれなくなった


最初の頃は、「学校に行かないと将来大変なことになるのでは?」「みんなと同じ道を歩まないといけないのでは?」という思いにとらわれていました。

「みんなと同じ道」は安心感があり、そこから外れてしまうことは、何の保証もない道を進むような感覚に陥りました。

でも、不登校の時間を経るうちに、「普通」や「みんなと同じ」って本当に必要なのだろうか? と考えるようになりました。普通や当たり前に振り回されるよりも、『今』の息子が笑顔でいることの方が、ずっと価値のあることだと思えるようになったのです。

私は10代、20代の頃に心を病んだ経験があり、その苦しさや治療の辛さを思うと、息子の心の健康を守ることが、「普通」であることよりも遥かに大切だと感じました。

2. 「成長のスピードは人それぞれ」という気づき


不登校の子どもを持つ親にとって、「このままで大丈夫なの?」という不安はつきものです。でも、子どもにはそれぞれのペースがある ということを実感しました。

息子は集団行動が苦手で、自分のペースで動けないことに大きなストレスを感じていましたが、中学生になった今は楽しく学校生活を送っています。小学生の頃は集団の中での立ち振る舞いが難しかったものの、時間をかけて学び、自分なりの形で馴染んでいきました。

勉強に関しても、読み書きが苦手で短い文章を読むのも一苦労でしたが、中学に入る頃には文章を読むことが負担にならなくなっていました。

苦手なことがゼロになったわけではありませんが、息子は自分のペースで確実に成長しています。「何年生だからこれができる」ではなく、その子に合った発達の仕方がある ということを実感しました。

3. 親自身も変わることができた


息子の不登校は、私自身にとっても大きな学びの機会でした。それまでの私は、「親としてこうしなければ」「子どもはこう育つべき」という固定観念を強く持っていました。でも、息子の姿を通して、親も変わることができると実感しました。

子どものために何ができるかを考えることが、結果的に私自身の価値観や生き方を見直すきっかけになりました。今では、「子どもの人生は子どものもの」「親はサポートする立場」という考え方を持てるようになり、子育てに対して以前よりも楽な気持ちで向き合えるようになりました。

4. 子どものことを理解することが(少しは)できるようになった


息子が不登校になった当初は、息子の気持ちがよく分かりませんでした。何を考えているのか、何を求めているのか、問いかけても多くを語らず、その場その場の楽しいことしか目に入っていないように見えて、苛立ちを感じることもありました。

しかし、不登校を経験したことで、じっくりと息子と向き合う時間ができました。一緒に様々な体験をする中で、息子の考えや好きなこと、苦手なことが少しずつ分かるようになりました。時間はかかりましたが、私たち親子には必要な時間だったのだと思います。

まとめ

不登校という経験は、決して楽なものではありませんでした。でも、その中で見つけた「気づき」は、親としてだけでなく、一人の人間としても大切なものだったと思います。

学校に行くことがすべてではない。大切なのは、子どもが安心できる環境の中で、自分のペースで成長していくこと。そして、親もまた、子どもと一緒に成長していくこと。

息子の不登校をきっかけに、私はたくさんの学びと出会いがありました。この経験を通して得られたものを、これからも大切にしていきたいと思います。

同じように悩んでいる親御さんがいたら、「焦らなくても大丈夫」「子どもはちゃんと成長していく」と伝えたいです。そして、子どもの成長を信じて、そばで見守ることが何よりも大切なのだと思います。

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