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【不登校の親 体験記】夫の話

おこのみ会代表の国賀です。
私は愛知県安城市で不登校の小中学生と親の居場所『おこのみ会』を運営しています。

自分自身の不登校児の子育て経験を書いています。

不登校の息子と夫

「息子さんが学校行かなくなった時、お父さんはなんて言ってましたか?」とよく聞かれます。

親の会でもお父さんと子どもの関係で悩むお母さんが多いように感じます。
子育てでの価値観の違いは夫婦の関係にも大きな影響を与えますよね。

私も同じように悩んできました。

夫に「お父さんの話しを聞きたい人多いみたい。話しても良い?」と聞くと「いいよ」と了承を得たので今回書いてみようと思います。

そもそも夫は24歳という若さで父となり、息子が小さい頃から育てにくさを感じる子どもであったこともあって、随分子育てについての葛藤は大きかったと思います。

自我が強く、意地でも自分のやりたいことを押し通し、通らないと激しい癇癪を起こすことの多かった息子を受け入れるのは、夫には(私もですが)とても難しく、厳しく叱りつけることもよくありました。

息子の行き渋りが始まってからは「怠けている」「学校に行けなくて、将来生活していけるのか」と不安が強く、学校に行かない息子にきつく当たることもありました。

私はそんな夫の葛藤は理解できるものの、息子の苦しさを理解してあげてほしい。叱らないでほしいという気持ちがあり、夫にそのことを伝え、あまり怒らないように心がけてはくれていましたが、明らかにイライラとしていて、夫婦の関係がギクシャクしていきました。

息子が「学校行きたくない」と言うと頭にイライラした夫の顔が浮かんできて、苦しくなるようになり、板挟みでもうどうしたら良いのか分からなくなりました。

その頃親の会でそのことを相談したところ、「夫には子どもの良かったことだけ話すようにしていた」と話してくださった方がいて、私もそれからは息子の頑張ったことや、成長を感じたことはリアルタイムで話し、困ったことは時間をあけて問題が解決したり、ほとぼりが冷めた頃に話すようにしました。

そうすると夫は終わったことなのであまりイライラせずに聞いてくれるのです。

今思えば夫の葛藤は私の中にもある葛藤で、でも私は息子を受け入れるために必死で前を向こうとしているのに、また不安の渦の中に引き込まれてしまうような気がして怖かったのだと思います。

でも家族には役割がありますから、きっと私の不安を夫が引き受けてくれていたのでしょうね。

私以上に時間はかかりましたが、少しずつ夫は息子を受容できるようになっていきました。

学校に行っていなくても、息子が成長して行くのを目の当たりにしたことが大きかったのではないかと思っています。

夫にも話を聞きましたが、不登校になった頃は息子の成長が見えず、むしろ下降しているように思えて、将来が心配でしかなかったけど、おこのみ会や他の居場所に行くようになって、少しずつ成長が見られるようになったので大丈夫なのかもしれないと思えるようになってきたことが受容に繋がったのではないかと言っていました。

息子も父の顔色を伺う時期もあり、心配もしましたが、元々父ちゃん大好きっ子なので、中1になった今もまとわりついて甘えています。

一時は夫婦仲もギスギスとしましたが、今は一緒に子育てについて考えられるようになり、共に息子の成長を喜んでいます。

そして今はおこのみ会の会計としておこのみ会活動にも関わってくれています。

↑低学年の頃。自由研究を一緒に。

不登校の子どもを受容するということ

母にしても父にしても、子どもの不登校を受容するのには多くの場合、長い時間がかかります。

私自身いまだに完全に受容出来ているかと言えば、まだ息子が学校休むと聞くとわずかにモヤっとする気持ちが存在しているのに気付いたりします。

母(主に子育てを担う人)は受容出来なくても毎日ずっと子供に向き合わなくてはいけません。子どもの苦しむ様子も目の当たりにするので、その分子どもの気持ちを受容するまでの時間は父(主に仕事を担う人)に比べれば短くなるケースが多いのかもしれません。

その時間と気持ちのズレが家族の溝を作り、その溝がなかなか埋まらないままになることもあると思います。

「夫が理解してくれない」「子育てに関わってくれない」と不満や悲しみは募りますが、受容には時間がかかり、その時間は立場やそもそものその人の価値観や生きてきた歴史によって様々であるということは理解しておくといいのかもしれません。

おこのみ会へのお父さんの参加

私はおこのみ会の活動にも、もっとお父さんに参加していただきたいと思っています。

外での子どもたちの様子を見たり、親同士で交流をすることで、子どもの成長に気づいたり、いろんな人の話を聞くことで少し不安が和らぐこともあると思います。

需要があるか分かりませんが、いつかパパ会もやってみたいなとも思っています。

父同士だからこその共感できる感情があるのかもしれません。

もしやりたい方がいたら是非お声がけください!

今回で私の体験記は終わりです。
次回からはおこのみ会のこと、不登校支援について思うこと、支援の情報、などを中心に発信していきます。

書いてほしいことがあればお気軽にコメントに残してくださいね!

11月23日(土)にマルシェ出店します!

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おこのみ会
おこのみ会は参加者の参加費・会費、善意の寄付金で運営しています。 学校に行かない選択をしても、子どもたちの居場所や学びの機会が失われない社会を目指しています。 頂いたサポートは活動費として使わせていただきます。