見出し画像

3ヶ月ぶり、田舎で暮らす妻子に会いに行く。

2021.6.25(金)

朝4:00のアラームを鳴った瞬間に止め
すぐに飛び起きる
今日から月曜までの3泊4日
この春からひと足先に田舎へ移住した妻子に会いに行く

自分は車を持っていない
朝散歩がてら15分
実家のマンションまで歩いて取りに行く

画像1

駅前を通ると、すでに多くの人が歩いている
いつもと違う道でも
朝に散歩している人には
なにかしら親近感が湧いてくる

実家の玄関の前
腕時計を見るとちょうど朝5時
そうっと扉を開けると
入ってすぐに車の鍵と
お香典、お供えの他
妻と子どもたちへの手土産らしきものが
置かれている

小声で両親にありがとうとつぶやき
荷物を持ってすぐに玄関を出る

父のセダンに乗り
自宅へ戻る
昨夜、玄関にまとめておいた
たくさんの荷物をトランクと座席に詰め込み
すぐに出発する

隣町まで来たところで
コンビニを見つけて立ち寄る
トイレをかりた後
菓子パンをひとつとり、レジの前
ちょうど店員が外へ出て行ったようだ
「すみません」と声を出すが
誰も出てこない
別の客が店に入ってくる
しばらく待っていると
西アジア系の店員が外からこちらを見ている
レジを指さすと、店内に戻ってくる
「セルフレジになっております」
よく見ると、その通りに大きく書かれている
知らなかった・・・
コンビニにもセルフレジが導入されているなんて

丁寧にやり方を教えてもらい
菓子パンとコーヒーを買って店を出る

人間に残された仕事ってなんだろう
運転しながらぼんやり考える

今朝の空は曇っている
湿気も多く、少し蒸し暑い
ラジオの女性も、同じようなことを喋っている

いつもカーナビを使っていたが
道も単純なので今日は使わない
FMから流れる音楽を聴きながら
街の景色を愉しむ

昔流行った「PRIDE」という曲が流れる
もともとは今井美樹の曲だったはずだが
別の女性の声だった
誰やねん、と思いながらも
一緒に口ずさむ

♪ 私は今、南の一つ星を見上げて誓った
♪ どんな時も、微笑みを絶やさずに歩いていこうと
♪ あなたを想うとただ切なくて涙を流しては
♪ 星に願いを月に祈りを捧げるためだけに生きてきた
♪ だけど今は、あなたへの愛こそが私のプライド

いつもと違う声で聴こえてくる歌詞は新鮮で
その意味までしっかりと聴きとる
勝手に自分の心境と重ねて
じんわり涙がこみ上げる
人間の感情というものは、テキトーなものだと思う

何度目かのトンネルを抜けた時
急に眩しい朝の光を感じる
田園風景の緑も鮮やかで
とても幸せな気分になる

一度、トイレ休憩のため
息子が生まれる前、娘もまだ小さかった頃
立ち寄ったことのある道の駅に車を停める

画像2

道の駅はまだ開店前だが
コンビニでトイレを済ませ
今日2杯目のコーヒーを頼む
とても清々しい朝だ
空気もうまい
遠くには小さな城が見えた

画像3

ホットコーヒーを飲んでいると
照りつける日差しを感じ
アイスコーヒーでも良かったなと思う

車に戻り、また走り出す
大阪のラジオの電波も入らなくなったので
車のオーディオを切り替える
昔自分が聴いていた曲を
適当に詰め込んだSDカードを選択すると
毛皮のマリーズが流れ出す
特に曲を選ばずにかけていると
森山直太朗にかわる

親戚の叔母さんからチケットをもらって
昔、妻とコンサートに行った後で買ったアルバム
別の日、娘が妻のお腹の中にいる時にも
コンサートへ行った記憶があるが
妻に聞いても記憶が曖昧で
僕もだんだん、自信がなくなってきた

でも、曲を聴いただけで
昔の記憶が蘇ってくる
音楽って良いな、と思う
自分は楽器ができないが
それでも曲を作って、歌ってみたいと思う
音楽の知識はなくても
音楽自体は人間の中にあるのではないか
勝手に遅咲きのミュージシャンになった気分で
アクセルを踏む

妄想を走らせていると
妻からの電話が鳴る
ハンズフリーで応答すると
車庫のシャッターを開けるので早めに電話くれとのこと
近づいたらかけ直すと伝える

大きな風車が微動だにせず並んでいる
目的地まであと少し
遠回りして町の景色を眺める

神社の前で停車し
妻に電話をかける

デイサービスの車に道を譲ってから
車庫の前に着くと
開いたシャッターの奥に
懐かしい妻の顔が見える

ゆっくり慎重に車庫に入る
妻の顔は、少し田舎っぽくなった気がする
いい意味で

妻の両親も一緒に暮らしているが
2回目のワクチン摂取後でも
関西から来た僕をおそれている様子

ほとんど顔も見ないで挨拶をすませ
一応手を消毒してから、仏間にお供えを置き
月曜に亡くなったおばあちゃんに
線香をあげ手を合わせる

お疲れ様でした
天国のおじいさんと仲良く過ごしてください

母屋の二階をリノベした子供部屋へ通してもらい
娘の勉強机でこの日記を書いている
妻にいれてもらった
今日3杯目のコーヒーを飲みながら

画像4

窓の外から聞こえてくる
小鳥のさえずりが心地いい

階下では、入れ替わり立ち替わり
おばあちゃんに線香をあげに来る客人の
穏やかな話し声

もうすぐお昼
食事をどうするかもよく分かっていないが
子どもたちが学校から帰ってくるまで
テレワーク中の妻の横で
のんびり過ごそうと思う

画像5

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?