読解力の最高の教科書を見つけた【文章を読めるとはどういうことなのか】
おはようございます。おこめさんです。
読解力って言葉よく耳にしませんか?
最近の子どもたちは読解力が低下している、とか言われていたりします。
(AI vs 教科書の読めない子どもたち)
とくにこの本では、教科書を文字として読むことはできるにしても、その意味を自分で理解するということができない子どもが多いということが書かれていました。
識字率の高さから、字を読むというところはクリアできている子が多いのですが、字が読めることと理解することはまた別なのです。
実際現場でも教科書の日本語を読むことはできるけど、理解ができない子どもはクラスにもたくさんいるように感じていました。
それがなんでなのか、どこで躓いているのか、それをどう解消していけるのか
そんなことをずっと悩んできました。
そんなぼくにとって、救いの手となる一冊の本と出会えました。
「生きる力を身につける 14歳からの読解力教室」です
実はこの本、さきほど紹介した「AI VS 教科書の読めない子どもたち」の著者 新井紀子さんも「私はこの本を国語解体新書と呼びたい」と推薦されているほどです。
とっても感動したので、ぜひ教育に携わるすべての大人にぜひ読んでみてほしいなと思いました。(親ももちろん教育に携わる大人です)
ということで今日は学校では教えてくれない「読解力とは何か」編です。
おこめさん→10年の公立中学校勤務を経て独立。公立学校を外側から支えるために、オンライン塾を設立・運営。子ども~大人までを対象としたライフビジョンコーチとしても活動。半年の育休を取得した2児のパパ。
本題の前にお知らせ
11/5 不登校の親御さん、お話聞かせて下さい会@クラブハウス
オンラインフリースクールの立ち上げに向けて、不登校生徒と話し合いを重ねています。今必要なオンラインフリースクールの形として親御さん目線でいろんな意見をいただけたら嬉しいです。
9:30~11:00
11/6 オンライン哲学対話@おはこや 「格差は悪なのか」
答えのない問いに対して、自分との対話、他者との対話を通して自分なりの納得解を見つけていく時間
11/13 オンライン読書感想シェア会@おはこや
いろんな人のいろんな本の感想を聴くことで、価値観を広げたり、興味関心の幅を広げる時間
下2つはどちらも朝7:00~8:15
小学生~大学生対象
参加希望の方はおはこや公式ラインにご登録を
無料の参加チケットお配りしています。
それでは本題です。
読解力は必要なのか
そもそも今の時代(これからの時代)に読解力は必要なのでしょうか。
勉強をするっていうときに、まずはYouTubeで解説動画を探すっていう生徒は多い気がします。
そして、大抵の場合は、自分が理解したい内容について誰かしらが解説動画を挙げてくれています。
わざわざ読みにくい(読むのがめんどくさい)教科書や参考書を読むよりも手っ取り早く解説動画を見たほうが楽
そんな考えの子どもたちはたくさんいます。
でも、それで大人になってもずっとやっていけるでしょうか?
YouTubeに解説動画があるっていうのは、その内容を一定数求めている人がいる
ということが最低条件として挙げられます。
YouTubeにあげたはいいが、誰にも見られない 状態だと誰もそこにあげようとはならないんですよね。
その点中学生がつまづきやすい部分を解説する動画はほとんど同じ内容を学ぶ全国の中学生にとって需要があるという状況なのです。
でも大学に入ってからもYouTubeで勉強していけるでしょうか。
大人になって、資格勉強などでもそうやって誰かの解説を見て勉強し続けられるでしょうか。
需要の面でいくと、大人になってから学ぼうとすることに対しては一々誰かが解説をしてくれている動画がある方が珍しくなってきます。
どうしても、自分でテキストを読み、そこを理解して試験を受けていく必要があります。
どうしても解説動画を見る という選択肢だけでは限界がきてしまうわけなのです。(とはいえ、読解力はすぐにあがる特効薬的なものはないので、今困っている子たちをなんとかする手段として動画教材はありだと思います)
読めるとはどういうことか
では次に読めるとはそもそもどういうことなのかについて考えてみます。
今皆さんは、ぼくの記事を読んでくれていますね。
そして、これらの文章の意味も理解しながらここまできてくれていると思います。
皆さんの頭の中では何が起きているかというと
①1文字1文字を読む
②それらを音に変換する
③その音をつなげて意味として理解する
④その単語同士をつなげて命題として理解する
⑤命題同士をつなげて文として理解する(頭の中にイメージを浮かべる)
という流れをとっています(速読を習得された方はこの通りではありません)
これは子どもが絵本を読めるようになるときを想像すると理解しやすくなります。
しいくいんさんはぞうがりんごをたべるのをみている
という文があったときに、子どもは
「りー、んー、ごー、をー」
とほとんど棒読みのように字を声に出していきます。
そこから
「りー、んごーをー」
あぁ、りんごのことか
と理解します。(ここまでで③)
これらを
しいくいんさんは ぞうがりんごをたべるのを みている
のように少し長めのつながりに変換し
それらのつながりから文全体の理解へとつなげていきます。(④と⑤)
(この場合の命題は、 しいくいんさんが見ている ぞうがりんごを食べる の2つが含まれています)
これらに必要なものとは
最低限必要なものは何かというと
しいくいんさん→動物園とかにいる、動物のお世話をする人
りんご→赤くて、食べるとシャリって音がする果物
ぞう→大きくて、鼻が長くてのっしのっし歩く動物
のようにそれぞれの単語の意味を理解しているということです。(ボキャブラリー)
その言葉、単語の意味やイメージがまったくない場合、いくら読めても理解することにはまったくつながらないのですね。
例えば、中学2年生理科の教科書に書かれているこの文章
物質を構成する原子の種類を元素という。例えば、水を構成している元素は酸素と水素である。これに対し、原子は1個1個の粒子のことであり、酸素原子1個と水素原子2個で水分子をつくっている。
この文章を読んで理解するためには 最低限次の言葉の意味を理解している必要があります。
物質 構成 原子 種類 元素 水 粒子 酸素 水素 分子
そして、文章を読むのが苦手な生徒のほとんどは、この授業の手前で説明されてきた 物質や原子、分子、粒子 などの言葉の時点でつまづいていることが多いのです。
それを一斉指導型の授業だけで、すべての子どもたちが理解できるわけはないわけです。
それらをクリアするためにペア学習や誰かに説明する活動、わからないことをわからないといえる学習空間の設計
などが学校側に必要とされているわけです。
では、ボキャブラリーさえあればそれでいいのかというと、そうでもありません。
次回はこのあたりのことをさらに深堀りして解説していきます。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。
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