夏の終わり
どうしても書き留めておきたいことがあったので
久しぶりながら…
今日は夏季休暇最終日だった。
小さい頃から大人になっても変わらず、休みの日の終わりはなんでこんなにも寂しい気持ちになるのだろう。
今日はおそらく予定を入れなければ何もせずに一日終わるだろうなと思い、午前中に習い事を入れたので、帰りに買い物でもして帰ってゴロゴロしてたらどうせ一日らすぐ終わるんだろうなと思っていた。
家を出てバス停まで徒歩数分、暑さで外に出るだけでも中々辛い。
いつも通りバスに乗った。仕事の日にも毎日乗るバス。今日はお盆ということもあって、家族連れも沢山。子供たちがはしゃぎながらバスに乗り込んでいる。
私も汗だくの中バスに乗り込みつり革につかまると、バスのアナウンスが聞こえた。
「ここから先、坂で急上昇しますが〜アトラクションやジェットコースターではないので両手をあげたりせずにつり革手すりをしっかりもってくださ〜い」
くすっと笑ってしまった。
何年もほぼ毎日同じバスに乗っているのにこんなアナウンスをする運転手さんは初めてだ。珍しいなあと思いながらも、いつものようにぼーっと立っていた。
次の停車駅に止まった。「高級バッグ、高級腕時計、クレジットカードが沢山入ったお忘れ物が見受けられますので、一度と言わず二度でも三度でもお確かめください〜」
さっきのはちょっとしたジョークじゃなかったんだ。完全におもしろを取り入れたアナウンスの運転手さんだ。
それから先も狭い道に入ると
「バスは大きくゆれますので、大好きな人と花火大会に行く時に手を繋ぐ時ぐらいにつり革をぎゅっと握って下さ〜い」
最高じゃないか。夏まで感じさせてもくれるのか。
いつもだったら20分ほどの移動時間、立っていると疲れすら感じるのに、次は何を言うのかとワクワクが止まらない。ずっとバスに乗っていたいなと思った。
バスの終点に止まる前にバスの運転手さんは言った。「日傘や携帯などのお忘れ物にご注意ください〜、コロナ禍ではありますが夢と希望もお忘れなく。これまで育ててくれたご両親への感謝もお忘れなく」
少し泣きそうになっている自分がいた。仕事の日とかに聞いてたら完全に泣いていたかもしれない。
今日バスに乗ってよかった。
運転手さん素敵な夏の思い出をありがとうございます。
明日からも頑張ろう。またいつか、頑張った日に、あの運転手さんが運転するバスに乗れますように。