🇮🇳チェンナイ一人旅【4日目③:映画鑑賞&年越し】
②の続き
2024年の映画納め!
バスを降りてしばらく歩くと、目的の映画館に着いた。
ここは"Rohini Silver Screens"、通常"ロヒニ"。
(肝心の引きの外観写真撮るの忘れた…。)
日本にもアニメやアイドルの推し活があるように、インドにも映画スターの推し活がある。映画の公開が迫ると、映画館前に大きなカットアウトを立てたり、有志でバナーを出したりする。
映画公開初日の最も早い上映回を「ファーストデーファーストショー(FDFS)」と呼び、大勢のファンがネタバレを喰らう前に、そして待ちに待った推しの新作を観る為に学校や仕事を休んだりして映画館へ集う。
※参考①
↓ダヌシュ主演50作目"Raayan"公開を記念した装飾
参考②
↓FDFSには映画の完成度や観客の反応を見に、監督やスター本人が来場する事も。(動画内で手を振るのは、ハリウッド出演経験もあるダヌシュ本人)
そういったタミル映画のオタクの聖地として有名な場所が、この"ロヒニ"だ。
私も一度来てみたかった場所なので、来れてとても嬉しかった。
ただ今回観にきたのは、残念ながらタミル映画ではない。"Marco"というマラヤーラム語の映画だ。
前情報では「インドで最もバイオレンスな映画」と聞いており、「今まで観てきたインド映画も相当バイオレンスだったけど、それ以上…?しかもあのマラヤーラム映画で…?!」とかなりビビっていたが、予告動画がカッコいい(※微グロ)のと、レビューが割と良さげだったのをきっかけに観る事を決意。
(インド映画でも比較的マイナーなマラヤーラム映画が日本で観れる可能性はかなり低いので、せっかくだからこの機に…!という気持ちも強かった。)
チケットカウンターでチケットを買おうとすると"Marcoか?"と聞かれた。やっぱり人気なのだろうか、しかしやはり女性が1人で観るようなテイストの映画では無いので、少し不思議そうな顔をされた。
映画上映まで30分以上あったので、ロビーでしばらく待つ。しかし、ずっと立って待ってたからかスタッフさんが上映20分前ぐらいにフライングで中に入れてくれた。
そして映画を鑑賞、英語字幕付き。
確かに評判通り、今まで観てきたインド映画の中でもトップクラスに残虐的だった。ノンストップバイオレンス。
暴力シーンの多いインド映画を数々観てきて、そういった描写にも慣れているはずなのだが、この作品は本当にキツかった…。身体損壊や内臓露出、口腔を引き裂く描写や大量の流血……何度も目を瞑ったし、キツくてつい眉間に皺が寄る。ただ薬や性的なシーンは一切なく、喫煙シーンは多いものの飲酒シーンも確かほぼ無かったと思う。純粋に暴力・アクションに振り切った、実生活にリアルで柔らかい雰囲気が特徴のマラヤーラム映画にしては、かなり珍しい映画だった。
脚本は弱く、私にはあまり刺さらなかったのだが、画角や演出、キャラクターのビジュアルやアクション、演技や音楽などそれ以外の要素が120点満点だった。個人的には日本で公開済みの"K.G.F"シリーズや"サラール"などのニール監督テイストを少し彷彿とさせる物があると感じた。(ちなみに音楽監督は、この両作と同じラヴィ・バスルール。)
ひねりや考察の効いた意外性のある脚本もしくはエモーショナル全振りで揺さぶられたいタイプなので、もう少し全体的に深く感情移入できる要素があれば相当良かったと思うけど、マサラヒーロー的商業映画なのでこれぐらいあっさりした方が大衆ウケしやすいのかもしれない。好きな人にはきっとすごく刺さると思う。
映画のカッコ良さを再堪能する為に、配信が来たら改めて見返してみたい。
しかし主演のウンニ・ムクンダン、今作が初見だったがアクション映えする体格とスタイル、柔らかく甘いマスクの持ち主というギャップでちょっとハマりそう…。これから注目していきたい俳優がまた1人増えた。
"Marco"を鑑賞した所で、私の2024年映画納めをした。
そういえばインドでみた映画3作、どれもダンスシーンが一切無かった。なかなか珍しい組み合わせだったかもしれない。
帰り道にマクドナルドへ寄ってみる
映画館を出ると、もう外は暗くなっていた。
早く帰らなきゃ!と思い、バス停でバスを待っていると物乞いに言い寄られた。チェンナイは観光地や商業施設の近くだと、割とどこにでも物乞いはいるのだが、ここの子供の物乞いが超しつこく、それをあしらっている私もなんとなく悪い事をしている気持ちになってしまい、心が痛んだ。しかしここで許してしまうとあちらも味をしめてしまうので、心を鬼にし続けて耐えた。
なんとかバスに乗り込んだが、またしてもピンク色だったらしい。(暗くてわからなかった。)
この長い距離をタダで乗らせて貰って、本当にいいのだろうか…?ここまで無賃乗車を繰り返すと、なんだか申し訳ない気持ちにもなってしまう。
途中でバスを降り、大晦日のイベントへ向かう若者達でギュウギュウのバスに乗り換えて、ようやくホテルの近くまで着いた。
大晦日だからせっかくだし、ちょっと大晦日っぽい物(?)を食べたいと思い、ホテル近くにもう一つあるショッピングモールの階下にあるマクドナルドへ行こうと思いたった。
ここのマクドナルド、手際が悪すぎて注文〜テイクアウトで受け取りまで30分以上待たされた。笑
別にこちらも急いではいないけど、一応ファストフード店なのだから、もう少し効率良く出来ないものかと思ってしまった。
(「それがインドだから」と言われてしまったらそれ以上何も言えないけど…。ちなみに他のお客さんは遅すぎてめちゃくちゃ苛立ってた。笑)
長い待ち時間でオーダーメモを英語で作り、それを見せたら一瞬で理解して貰え、簡単にオーダーが通った。
テイクアウトしてお店を出ると、若者たちが集まってはしゃいでいる様子があちこちで見られた。大晦日だからだろうか?
交通量が多くなった大道路をなんとか渡り切ってホテルに戻り、早速机の上で袋を開ける。
私が買ったのは、"マックスパイシープレミアムチキンバーガー"とポテトとコーラのセット、342ルピー。
味は、スパイスの効いた辛いチキチーみたいな感じだった。普通に美味しくて、恐らく待ってた時間よりも短くペロリと食べてしまった。笑
ポテトにケチャップが付いてくるのは、学生時代に留学していた中国でもお馴染みだったんだけど、海外ではあるあるなのだろうか?ケチャップのついたポテトを頬張り、紙ストローでコーラを飲み干し、久々のマクドナルドという事で背徳感に浸る。
そして年越しの瞬間…!
シャワーを浴びて、軽く洗濯も済ませ、テレビをつけながらしばらくダラダラ横になっていた。3時間半時差のある日本では既に年が明けていた。
日付が変わる直前、ずっと映画音楽が流れていた番組が急に画面が切り替わり、カウントダウンが始まった。
おお〜!インドでもこんな感じでカウントダウンするんだ〜!
ハッピーニューイヤー!!!
と思った瞬間、外で爆竹がパンパンッと鳴る音がした。ホテルの同じ階にバーも併設されており、そこからも日付が変わった瞬間ものすごい歓声が聞こえてきた。そしてブレーカーが落ちたのか、ホテルも一瞬停電した。笑
年末年始は日本みたいに伝統的な儀式のようなものは無いけれど、やっぱり年越しはパーティーモードになるんだなと体感した。
日本だと1/1は正月で、お寺や神社にお参りに行ったり、親戚や近所に挨拶回り行ったり、団欒でおせち料理を食べたりするけれど、インドって本当に何も無いのかな…??
翌日の予定を立てながら、ちょっと期待してみたりするのだった。