日本の選挙の投票率が低いのは「悪銭身につかず」なのかも
「悪銭身につかず」の本来の意味は、「盗みなどで得た金銭はいつの間にかなくなって手元に残らない」という、悪事を戒めるためのものだと思う。
が、同時に、「博打で勝ったりして転がり込んだ予想外の不労所得はついつい無駄遣いしてしまって残らない」という意味合いもあると思う。
意識して頑張って稼いだお金と、想定外に転がり込んだ不労所得では、有り難みの感じ方が違うという意味で。
で、思ったのが、日本の選挙の投票率が低いこと。
英米のように市民革命や独立戦争で血を流して代表を選ぶ権利を勝ち取った、とか、韓国や中華民国のように死屍累々の民主化活動の末にやっと自由な選挙をする環境を獲得した、とか、そういう国々とは違い、多くの日本国民にとっては選挙権も自由な選挙が保障された社会も上から投げ与えられた(GHQが日本政府の頭越しに投げ与えた)ものであり、その有り難みを実感できていないだけでなく、社会にとってそれが必須であるという『制度の意義』も理解できていないということの現れなのかとも思う。
個々人の健康と同じく『失って初めて有り難みに気がつくもの』なのだと思うのだが、これも健康と同じく『失ってしまった後から回復するのはものすごく大変なこと』だとも思う。