糖質制限の危険性
最近よく糖質制限という言葉を耳にしますよね。
わざわざ言われるまでもなく、糖質……つまり『炭水化物を減らそう』という試みです。
ではなぜそんなことをするのか。
その理由は単純に摂りすぎているからに他なりません。
そう、あくまで過剰摂取が問題であって、糖分は身体に必須の栄養でもあるのです。
これを見落としてしまうと糖分は敵だ。とにかく甘いものを排除せよ! 米やパンは万死に値するっ!!
なんてことになりかねません。
実際に糖質制限する際に、最もやり玉に挙げられるのが主食である米やパンですからね。
かくいうもやしもゆるーい糖質制限を行っています。
自炊を始めてから健康志向に傾くのは何でしょうね。
やはり人に食住環境を任せていると意識しなくとも他責になるんでしょうか。
その内容は食事以外の間食を控える簡単なものです。
我慢ってほどではないんですが、ひとたび『間食しない』と決めると世界が変わって見えてきます。
何せ、今までどれほど無意識に飲み食いしていたのかに気付かされますからね。
一日でいいので、一度やってみると面白いかもしれませんよ。
あ、ちなみに飲み物はジュースを飲まないようにしてるだけで、水はもちろん、コーヒー・紅茶・お茶などは砂糖を入れずに飲んでいます。
さて。人の身体は摂取した栄養素を消化・吸収し、糖質、脂質、タンパク質などを複数の燃料に変えて貯蔵しています。
そして基本的には糖質を消費することでエネルギーを生み出しています。
なので最初に糖質を消費し、身体が温まって来ると脂質も使用し始めます。
これが脂肪燃焼効果が高いとされている有酸素運動ってやつですね。
また、脂質は一度糖質に変換する必要があるので使えるようになるまで時間が掛かります。
そして脂質を使い続けると最後はタンパク質までエネルギーに変えられてしまいます。
タンパク質……つまりは筋肉ですね。せっかく育てているのにやめてもらいたい。
マラソン選手なんかがやたら細身な理由がこんなところにあったわけです。
ともあれ、こんな順番で消費していくわけで、糖質は最も早くエネルギーに変換できる栄養なんですね。
このように糖質は体内で一番増減する栄養素というわけです。
ここからが今日の話のキモになります。
糖質制限は過剰分を排除するのが目的ですが、行き過ぎてゼロを目指してしまうとどうなるでしょう?
蓄えられている糖質が少なく、脂質が燃え出すよりも先にエネルギーが枯渇してしまいます。
何せ脂質のエネルギー変換速度は遅いですからね。
日常生活を送る上では、糖質の過剰消費が起きることはあまりないので問題はないでしょう。
けれど、たとえば筋トレをしたり。たとえばジョギングしてみたり。
たまたま荷運びに従事して一食抜いてしまったり。
とにかく、少し強度のある運動をした途端、制限が祟ってなけなしの糖質が底を着く。
脂質の変換も間に合わず、体内のエネルギーが空になってしまうわけです。
そんなガス欠ともいうべき症状を『ハンガーノック』と呼ぶそうです。
これがまた恐ろしいほど無自覚に進行するのです。
初めは空腹やだるさを感じ、頭を眠気が覆い、手足に力が入らなくなる。
不自然さに気付くころには身体を動かせなくなり、最悪意識を失うほど。
しかも重症化するほどに頭が回らなくなる、流れるようなこのコンボ。
えぐすぎです。
ちなみに対処は簡単で『早急に糖質(エネルギー)を摂取して安静にすること』だけです。
けれど消化・吸収には時間が必要で、補給さえすればすぐに復帰できるとは限りません。
さらに悪いのが、消化・吸収するにも元手となるエネルギーが必要なので、完全に使い切ってしまうと本当に動けなくなるんですよね。
たとえるならハイブリット車のガス欠は何とか解消したけど、無理させ過ぎてバッテリーが上がってる、みたいな感じでしょうか。
こうなるともう、点滴とかで直接血中にぶち込むしか手段がなくなり、緊急搬送も辞さない、なんてことになるようです。
手遅れになる前に補給、大事。
実体験でも、寝起きの空腹時に運動したり、長時間のHIITやった後なんかは急激な空腹や眠気を感じていました。
空腹時や高強度の運動は効果が高い反面、なかなかリスクがあるんだな、と痛感させられますね。
しかし……そう考えるとマラソンとか、トライアスロンとか、登山家とかってマジで化け物ですね。
数時間単位で高強度の運動を続けてるんですから……。
さて、そんなわけで。
制限しすぎるとやべぇぞ、ってお話でした。
言われているほど糖質も敵ではないようで、特に筋トレやフィットネスをする人はほどほどに。
とりあえずもやしは腹筋ばっきばっきにしてやんぜっ!!
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