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プチ・ニコラ パリがくれた幸せ
2022年公開のフランスアニメーション映画「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」を観た
1955年、イラストレーターのイラストレーターのジャンは自分が作り出した小さな男の子のキャラクターをモチーフにした物語を描いてほしいと作家のルネのところへ持っていく
レストランでワインを飲みながら、二人はそのキャラクターをプチ・二コラと名付け、彼を取り巻く環境や登場人物を楽しみながら作り上げていった
やがて絵本となって世に出たプチ・二コラは、ある日、イラストレーターと原作者の二人のところへ現れ、会話をはじめるのだが・・・
フランスで50年以上にわたって愛され続ける絵本「プチ・ニコラ」の実際の絵本で描かれたストーリーと、原作者&イラストレーター二人の心象風景を彼らが作り出した物語の主人公である二コラとともに振り返る自伝的アニメーション
まー、なんともやさしくて暖かいタッチの絵ですなぁ
そしてフランチ・カンカンで流れるような軽快なリズムの音楽
作中ではちょっといたずら好きの主人公プチニコルとその友だちや周りの女の子、親や先生たちと繰り広げられるありふれた日常生活から臨海学校の話までいくつかストーリーが流れる
ちょっと強引だけど、フランス版「ちびまる子ちゃん」といったところかな
そんな明るいストーリーと交差して原作者ルネ・ゴシニの戦時中の悲惨な家族のお話や、1977年に亡くなった彼の訃報が作中のテレビの中で流れたりするんだけど、やさしいタッチの絵がその辺の暗さをあまり感じさせない
奇しくも本作も手掛けたイラストレーターのジャン=ジャック・サンペはこの映画が2022年のカンヌ映画祭で特別上映された年に亡くなったそうな
原作者とイラストレーター、二人の友情と無邪気な男の子二コラたちのお話は感動とかドキドキわくわくとかスリル、そういうのとは無縁の、なんというか、冬の晴れた日にひなたぼっこしながら感じる太陽の暖かさ、みたいのが伝わってきた
作中で流れる1937年のシャンソン名曲で映画サブタイトルにもなった「Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux ?(幸せになるのに何を待つの?)」の歌詞が良かったんでちょっと載せとくね
幸せになるのに何をためらうの
お祭りさわぎするのに何をためらうの
道は用意されている
空は青く
グランドピアノのなかには歌がある
みんなの瞳に希望があり
みんながエクボに笑みを浮かべる
喜びが僕たちを狙っている
素敵なことさ
幸せになるのに何をためらうの
幸せになるのに何をためらうの
お祭りをするのに何をためらうの
窪地の道には
ヘーゼルナッツがあり
葡萄があり、赤、白、青のワインがある
蝶はつがいで飛ぶ
ムカデは自分用のソックスを履く
ヒバリたちは
愛を告白し合う
何をためらう
何をためらう
幸せになるのに何をためらうの
幸せになるのに何をためらうの
有頂天になるのに何をためらうの
こだまは繰り返す
楽しいことを
そしてラジオは明るい歌を歌う
雨傘たちは家に残り
杖たちはダンスパーティーに行く
頭を起こすんだ
恋人たち
何をためらう
何をためらう
何をためらう
何をためらう
幸せになるのに何をためらうんだ
※訳詞はこちらのページからお借りしました
http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-577.html
幸せはありふれた日常の中にあふれているのかもしれない
そんなことを感じた映画ですた