与那原バス停の気になるところ
沖縄県与那原町にある与那原バス停には、個人的に気になる点が2つある。
与那原バス停とは
まず、与那原バス停がある与那原交差点について。場所はここである。
与那原バス停は、交差点に方向別にバス停の位置が異なり、3か所に分散している。地図に落とすと、以下のような配置である。
交差点に設置されるバス停にはよくありがちな光景だが、方面別に着色してみると、以下のようになる。
これをさらに現地の車線運用と合わせて、詳細にした図を以下に示す。
気になる2点は?
上記の図で気になる点が2点。
1点目は、那覇市から西原方面へのバス停が単独で設置されているが、南城方面と別に設置する必要があったのか。
2点目は、南城方面のバス停を出発したバスは、出発直後に左折車線を跨いで直進車線に車線変更をしないといけないのだが、危なくないのか。
これらは、過去に遡ると理由が明らかになる。
1点目は廃止路線の名残
まず1点目であるが、かつては南城市から西原方面への路線があった名残である。直近では、馬天営業所~琉大~泡瀬営業所を結ぶ58番・馬天琉大泡瀬線が、さらに遡ると、馬天営業所~中城村新垣~泡瀬営業所を結ぶ59番・新垣線が運行されていた。
この当時であれば、西原方面へのバス停が別に設置されていた意味があったが、2015年3月31日に南城市から西原方面への58番が廃止された現在でもその運用を継続している状態である。
南城方面のバス停に統合することは可能ではあると思うのだが、西原方面へのバス停は、屋根付きで整備されており、バス待ち環境を考慮すると分散させておいたほうが良いのかもしれない。
2点目は730以前の名残
次に2点目である。
以下は、南城方面の与那原バス停から、南城市方面へのバスからの映像(Youtube)であるが、バス停の直後は左折車線で、その隣の直進車線には結局は入れず、左折車線から直進している(道路交通法的にはNGだと思われるが)。
なぜこのような危ない構造になっているかと調べてみると、与那原町議会の議事録に答えがあった。結論から言うと、右側通行から左側通行へ変更された730の名残のようである。
730の約半年前である1977年12月23日時点の航空写真を見てみる。現在の南城方面の与那原バス停の位置には、バスベイらしきものが確認できる。当時は那覇方面の与那原バス停となるのだが、右側通行時代であれば、交差点を過ぎてからこのバス停に停車するので、車線変更の問題がなかったのである。730で左側通行に変わった際に、交差点を跨いだ南城方面にバス停を移動させていればよかったのだが、そのままの位置で運用し続けたことから、現在のように危ない状況となっている。
なお、前述の与那原町議会の議事録の続きを見てみると、この危険性は認識されているようであり、また与那原町地域総合交通戦略(H30.3)にも「与那原交差点の改良」とあり、いずれバス停も移設されるかもしれない。