OLと介護職の価値分岐
私の妻は介護福祉士をしています。
妻への愛情故に今回は偏った意見になることをご容赦ください。なるべくフラットな位置で論じたいと思います。
この記事は次の方向けです。
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・介護や保育、看護などの仕事に疲れている人_________________________________________________________________________
「10年後、20年後、自分の仕事って存在するの?」
10年後の仕事や、既存の仕事をAIが駆逐する、みたいな話は様々なところで耳にします。当然、そこに異論はないですし、私は脅威というより楽しみで仕方がないです。
なぜならば、会社や行政手続のような、今までは面倒で面倒で仕方がなかったものが自動化され、あらゆる個の傾向や行動履歴から最適化されたサービスを受けることができる、これって最高だと思うからです。
たとえ、今の自分の仕事が確実になくなったとしても、そういった利便性が高まった社会で、新たに作り出せる時間で、何をするか、とにかくそんな可能性が無数に広がっているわけです。簡単に言うと、新たに優秀な後輩が入ってきて、今まで自分でやっていた面倒な作業は彼に任して、自分は新しいことをする、結果、チームや会社の業績は上がる、といった感覚です。
ここまでが、10年後や20年後の仕事についての自分の基本的な見解とスタンスです。今日はこのスタンスを前提として論じていきます。
◆沖縄女性はOLに憧れがち
話を戻すと、沖縄に住んで3年、毎月通ってた時代を合わせると、かれこれ約5年くらいの時間を深く沖縄と関わりを持ってますが、沖縄女性によくみる一つの傾向があります。
特に、沖縄生まれ沖縄育ち、嫁くらいの年齢(26歳前後)の女性からよく聞くものです。
「OLやってみたい。」
「OLして、おしゃれしてランチとか食べたい」
はい、これ。沖縄若者女性の典型です。「手に職を」って思って専門学校等を卒業して、一度就職はしたものの、給料も安いし、仕事はきついしってな具合で、結婚するまでに一度はOLをしてみたいと思う人がとても多いです。
こと私の嫁も同じことを言ってました。また、嫁の友達の保育園勤務の女の子も同じことを言っていました。
保育士や介護福祉士、看護師といった、人を相手にした、ロボットではなく、人の体温や心のケアみたいな要素が必要な仕事をしている人が、なぜ、そこまでOLへ憧れ、羨望の眼差しを向けるのか?
◆やっぱり“ないものねだり”か
さて、沖縄女子がOLに憧れる理由を予想します。恐らく大半が次のようなものだと言えます。
・純粋な東京への物理的憧れ。
・SNSで発信したくなるような生活への羨望。
・給料や待遇への不満、現職の割に合わなさ。
・沖縄経済が出す停滞感
つまり、ないものねだり。
なぜOLなのか、って聞いて返ってくる回答を紐解くと、だいたい上記に集約されます。基本的には漠然としたイメージにより生まれた“ないものねだり”に帰結します。
但し、一方のOLが沖縄女子に憧れているかと言えば、それはまず少数でしょう。つまり、OL側には沖縄女子に対して、ないものねだりがない、充足していて、満ち足りた生活を送っているのか、ということです。
◆OLってそんなに羨ましいものなのか
さて、実際はどうでしょうか。つまり、OLはそんなに憧れや不足分を充当するに値する職業なのか。
私が東京で働いていた際に、まさに丸の内で働いていました。OL界の代表格、丸の内OLを仕事を通して見て・会話をした印象を纏めます。
・格好は小綺麗。
・お局的な未婚のボスがいる。
・誰かをチャットでdisりがち。
・結構上から、接してくる。ライン職以上への対応は神。
・ランチタイムにはひざ掛けと共に消える。
・締め日近辺は近寄り難きオーラを発する。
あくまで、営業サポートや総務・経理等の業務をされている方々を想定しております。てか、それ以外よく分かりません。また、上記業務をしている方々を本記事における、OLとして私は定義します。
そもそも、OLって。Office ladyの略ですので、基本的にオフィスにいる女性=事務職 ということにしています。
恐らく、沖縄の女性たちが憧れる点としては、「小綺麗な格好」、「ランチを楽しむ感じ」そんなところなのかなと思います。
しかし、最大の憧れポイントとしては、「何かプライベートが充実してそう。」ってのが大きいと思われます。
しかし、本当にOLってプライベートが充実しているんでしょうか?
・使えない下っ端、うざいおっさんの依頼をこなすストレス。
・華やかに見せる義務感に苛まれ、実際は相当疲れている。
・同僚などからの見え方などを気にし過ぎるマテリアルライフ。
・満員電車でおっさんの頭皮、痴漢等のリスクを常に負っている。
・結婚しかゴールがない。あるいは直近のタスク納期がゴール。
そもそも、この仕事って本当にしたかった仕事なの?楽しい?って思うことを主にやっているのがOLなのかなぁと思います。
まず、楽しいか?って聞かれたらNOでしょう。
あるいはYES!と回答する人は仕事に対してではなく、充実してるであろうプライベートに楽しさを見出しているのでしょう。
とりあえず大学を卒業して、適当な志望動機でとりあえず就職して、出会い求めてコンパしたり、インスタ映えする生活や食事を追い求めた生活、結婚したら子供に変な恰好させて、俯瞰で撮影した写真を加工して、SNSにアップして、いいねがたくさんついたらいいね・・・みたいなことを楽しんでいるのでしょう。(だいぶ皮肉っぽいですがww)
◆OLと介護職の価値分岐点
しかし、冒頭で述べたようなAIの時代が到来したら、こういう楽しみを何も考えずに生き甲斐にしていたOLたちって、キラキラできなくなるんじゃないですかね。
端的に言えば、OLという存在が、お金をもらえるほどの仕事でなくなったら、こういう人種の人たちってどうやって生きていくんですかね。という素朴な疑問。まぁ早く扶養に入ることが当面の目標になるのでしょうか。
一方、介護福祉士や保育士、看護師って仕事はどうでしょうか?
まず、その仕事への目的やモチベーションがなければ、資格を取ろうともしませんし、ましてや従事することもできません。つまり、仕事自体に目的や使命のないOLとはそもそも存在価値みたいなものが大きく異なります。勿論、働いてみたら思ってたのと違ってた、もうヤダ、みたいな意見も往々にしてあると理解しています。しかし、少なくとも志して、行動した時点で大きく違うということです。
利用者や子供、患者さんは人です。受注伝票や請求書ではありません。
相手がどんな人で、どのように貢献したいのか、どのようにすれば相手のゴールへと導けるのかといった、常にクリエイティブな対応が必要なのでは、と私は考えます。
業務や介助フローが定型的だとしても、課題解決を行う相手は常に人であり、体温を伴うことから、利用者や患者に最大限の価値を与えることを思索している限り、クリエイティブなアプローチだといえます。
勿論、介護福祉士などでも惰性で仕事をし、何も考えずに仕事をしている人だっていると思います。しかし、どんな業務であれ、相手の人がいて、困っている人や助けを必要としている人がいる、どんなにテクノロジーが進歩しようとも埋められない領域を要する仕事であることは確かです。
自動車椅子や介助自体もロボットが行うかもしれませんが、家族やパートナーと離れてしまい、一人になった高齢者たちがどこで心の充足を得るのでしょうか。同じ施設の人とのコミュニケーションも然りですが、やはり、これは体温を伴った人が介助をするからこそ生まれる価値があります。
テクノロジーで代替できない、人という複雑な生き物を相手にしてきた経験値(数値化できない領域)や、そういった微妙な体温や心を察知する感覚を鍛えた人の価値は今後、上昇していきます。だって人間ですから。
一方、テクノロジーに代替され、コストカットの対象として、OL業務の価値って限りなく低減されていくわけです。まぁ、職場の雰囲気とか、男性社員のモチベーションみたいな意味では代替不可かもしれません。
ここで、OLと介護職の価値分岐が起きます。
業務が与える社会的な価値や希少性という観点から見ても、介護福祉士や保育士、看護師などの方が、よっぽど生き残れる仕事で、将来的にはキラキラしていけるポストだということです。
◆あなたの仕事ってこんな価値がある。
東京に住んでいて、キラキラしたい女性たちが、OK(沖縄介護福祉士)に憧れる。みたいな世の中が到来するんじゃないですかね。
私が一番言いたいことは、介護や保育、看護といった、一般的には誰かの助けを必要としている人を、体温というソリューションで解決する仕事をしている方々って、本当に素敵です、ということ。
決してOLの人をdisってるわけではなく、介護や保育、看護などの仕事に悩み、不満を感じた結果、OLに憧れるとか、OLになりたいみたいに思っている人に、「あなたの仕事ってすごく価値のあるものですよ」、と伝えたいだけです。
当然のことですが、これはOLだけではなく、その他の様々な代替可能な仕事にも当てはまるわけで、ある種の自戒の念も含んでいます・・。汗。
いつも子育てをしながらも仕事を頑張る妻へ、最大級の敬意を込めて。
それでは、また。
いや、むしろ僕が好きです。