MMD5
MMD(マグネシウムマジ大事)はまだまだ続きます。
今回は3つの分野になります。
<PMS(月経前症候群)、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群>
・マグネシウムはPMS(月経前症候群)とPMS性頭痛に対する安全な治療薬である。
・「唯一、マグネシウム・サプリメントを摂ることがPMS(月経前症候群)の治療法なのかもしれない」と、医博のメルヴィン・ワーバックは述べている。
・血清マグネシウム量は、深刻なマグネシウム欠乏の場合のみ低下を見せるものである。
・(月経)第3週に入り血清プロゲステロン濃度が頂点に達すると、マグネシウム・イオンと血清マグネシウムに大幅な減少が見られた。
・エストロゲンとプロゲステロンといった女性ホルモンが、体内マグネシウム・イオンのレベルに影響を与えている。
・エストロゲンやプロゲステロンの濃度が高ければ、それだけマグネシウム・イオンのレベルが下がる。
・高レベルのエストロゲンとプロゲステロンは、マグネシウム・イオンを激減させるため、恐らくその結果として、脳血管のけいれんや脳内血流の減少をきたすことになる。
・チョコレートが食べたいという抗し難い衝動は、マグネシウム欠乏の明確なサインである。
・ほどほどの量に留めたいのが牛肉と鶏肉であるが、ともに合成ホルモンで処理されていることが多いためである。
・合成ホルモン、殺虫剤、その他の薬品の残留物など、エストロゲンと同じ作用を果たすものを、食べたり、飲んだり、吸い込んだりすると、エストロゲン刺激の過剰という事態に至ることもある。肉類の飽和脂肪酸とアラキドン酸もプロゲステロンの産生を抑制するので、PMSを悪化させる局部炎症の諸症状の原因となり、これが生理痛につながることもある。
・マグネシウムがないと、必須脂肪酸がうまく処理されない。
・マグネシウムは自然な方法で、確実にセロトニン活性を促進して、月経前症候群のうつ症状を軽減させる。
・月経前にマグネシウムを摂っておけば、完全に疼痛(生理痛)を防ぐことは可能である。
・多嚢胞性卵巣症候群の患者には、インスリン抵抗性と耐糖能障害の発症率が高い。
<不妊症、妊娠、子癇前症、脳性まひ>
・助産師の間では、世代を超えて申し送られてきていることがある。妊娠中にはエプソム塩(硫酸マグネシウム)を終始服用させること、というアドバイスである。
・調理食品を与えた方のネコは、生食を食べたネコとは対照的に、3世代目にして不妊となった。
・食品を沸点以上に加熱することビタミンが壊れ、マグネシウムや酵素を消し去ってしまう。
・ちょうど脳動脈のけいれんで偏頭痛が起きるのと同じく、卵管にけいれんが起きると、それが不妊の原因になる。
・子どもができない女性が自然食品の食餌とマグネシウムを含むサプリメントを摂り続けると妊娠に至ることが多い。
・妊娠中はより多量のマグネシウムが必要とされる。したがって、受胎促進を目的にマグネシウムを摂取することが、同時により順調な妊娠を実現することにもなる。
・男性の不妊症もマグネシウム欠乏に関連を持つようである。ともにマグネシウムと亜鉛とが精液中には極めて大量にみられる。ところが、不妊症の男性ではマグネシウムのレベルが非常に低い。
・妊産婦は妊娠期間中を通して、マグネシウムを日常的に摂取することで、分娩時と分娩後の合併症を予防し、同時に早産を食い止めるべきである。
・(子癇に対して)マグネシウムの方が合成薬よりも有効性が高く、母子双方の死亡率を低下させ、その上、極めて安全性が高い。ある研究者はこう言明している「食餌を通してマグネシウムが与えられると、胎児の成育結果に顕著な改善が見られることからも、妊娠期間中にはマグネシウムを補給するべきだという考え方が支持される」。
・マグネシウム欠乏が乳幼児突然死症候群(SIDS)にもかかわりをもっている。これは成人の突然心臓死に共通した特徴を持っているから、適量のマグネシウムを母子の双方に投与することで予防できる可能性がある。
・マグネシウム欠乏により誘発される筋衰弱のせいで、うつ伏せになった乳幼児が首が回せなくなり、痛ましいことに窒息死に至るのである。
・母体・胎児成長・新生児に果たすマグネシウム補給の有効性は充分に立証されている。
・極低出生体重児で、出産直前に硫酸マグネシウムが母親に与えられたケースでは、脳性まひの発症率が低下を示した。
・研究者らの試算では、硫酸マグネシウムが脳性まひの発症を約90%減少させ、知能発達障害を約70%減少させている。
・マグネシウムが胎児の脳内出血を予防し、脳に対する酸素の供給不足による悪影響を阻んでいるのである。
・子宮内の酸素不足を補おうとして、胎児に過剰の酸素が投与された場合でも、マグネシウムが肺を保護してくれる。
・成長中の脳に対しては、塩化マグネシウムの方が、硫酸マグネシウムよりも、より保護能力が高い可能性がある。
<骨粗鬆症、腎臓結石>
・マグネシウムがカルシウムを血液に溶解させ、腎臓結石の形成を防ぐ。
・マグネシウム欠乏があるのに、カルシウムを補給すると、関節などの軟組織にカルシウムが沈着し、関節炎を起こさせるし、腎臓では腎臓結石の原因となる。
・マグネシウムはビタミンDを活性化させ、ビタミンDによるカルシウム吸収を促進させる。
・過剰のカルシウムはがん性腫瘍に沈着する。
・骨粗鬆症は、マグネシウムのわずかな不足でさえもがリスク要因となる。
・マグネシウム・ビタミンD・ボロン(ホウ素)・ビタミンK・B12・B6・葉酸が慢性的に欠乏すると、骨粗鬆症が引き起こされる。
・われわれの骨は一生涯もつように作られている。
・エストロゲンを摂っているのに、マグネシウムの摂取量が少ない場合に、カルシウムの補給がおこなわれると、血栓症(心臓発作の原因となる血液凝固)のリスクが増大する。
・困ったことには、骨粗鬆症の治療法は、「カルシウムを摂ろう!」という、たった一つのシュプレヒコールに集約されてしまっている。
…(中略)…この10年間、骨粗鬆症への対応にカルシウム・サプリメントの使用が著しく増大しているが、学問的研究では、これほどまでに大量の投与を閉経後に行うことが妥当だとはみなされていない。
・軟組織の石灰化(硬化)も、カルシウムの摂りすぎによって起こる深刻な副作用の一つである。
・カルシウムを溶解状態に留めおいて、カルシウムが凝固して結晶化するのを防いでいるのも、マグネシウムがもつ数多くの働きの一つである。
・腎臓結石については、マグネシウムこそが、中軸的な治療方法となる。
・カルシウムがマグネシウムを上回ると、腎臓結石ができる可能性がある。
・マグネシウム治療は軟組織の石灰化の進行を停止させたり、予防機能を持ち合わせていたりする。
・従来は酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムが望ましいと考えられていた。ところが、二重盲検法・無作為比較試験・プラシーボ対照試験を行った結果、クエン酸マグネシウムがはるかに優れていることが証明された。腎臓結石の再発を実に90%も低下させたからである。
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上記の通り、婦人科系疾患や妊娠にもマグネシウムが大きな役割を果たします。
そしてこれまでのブログにも書いてきたとおり、現在ではマグネシウム欠乏が圧倒的に多く、相対的にカルシム過剰の状態になっています。
それが動脈硬化性疾患が増えている一因だと考えています。
それなのに、バ○の一つ覚えのように、「骨粗鬆症の治療にはカルシウム!」みたいになっていますね。
本当うんざりします。
とある整形外科の処方でも、カルシウム製剤のみが出されていたり、「そんなん素人の治療か!」って思ってしまいます。医者である意味がわかりません。
この本には現代の骨粗鬆症治療のおかしさについても書かれています。
ビスフォスフォネート製剤なんてよく使われていたりしますが、これは破骨細胞という細胞の活動を阻害して骨の吸収を抑制する薬なのですね。
人の体って、細胞レベルで常に新陳代謝が起きています。
古くなった細胞は壊され、新しい細胞が作られます。
何歳になっても死ぬまでこのサイクルは続けられます。
古くなった骨を壊す細胞が「破骨細胞」です。
破骨細胞の活動が活発になって骨がどんどん壊れていくから骨粗鬆症になる。だからそれをストップさせる、という意図らしいですが、適度にストップできなければおかしな事態になってしまいますよね?
人としての自然な新陳代謝が進まなくなる、ということになるのです。
というか体格が違っても代謝が違ってもそんなのお構いなしに一律に同じ用量の薬が出されて治療しています。
ほどよく過剰な破骨細胞をストップなんて、そんな奇跡的な治療を万人に行えるわけがありません。
新陳代謝がすすまず、不良な古い骨のままになるということです。
有名な副作用に顎骨壊死もありますし、なんなら添付文書には「骨折」そのものが副作用に書かれているのです。
骨折を防ぐための薬なのに、治療のせいで骨折になるリスクがあるのです。
アホなことをやっています。
いまだに日本では、「骨にはカルシウム」の大合唱。
うんざりします。
これまで見てきたように、カルシウムの過剰はいろんな疾患と関係しているのです。
ただただ他の病気を増やしていることにつながっているかもしれないということを忘れないで欲しいです。