No.1022 ワンダフルな生き方?
老人が、昼間なのに懐中電灯をともして歩いています。
「天気の良い昼間なのに、何してるの?」
と道行く人が尋ねると、
「この世は、闇じゃ!」
と答えたという哲学的な話を高校生の頃に聴いたことがあります。
一昨日の、大分合同新聞のコラム「東西南北」に興味深い話が書かれてありました。以下、厚かましくも紹介させていただく次第です。
古代ギリシャ語で「犬」のことをキュオーン(kyon)というそうです。その形容詞キュニコス(Kynikos)は、「犬の、犬のような」という意味になるそうで、このキュニコスという言葉で呼ばれた哲学者が、ディオゲネスです。
その多くは、環境を壊さず、金銭欲や名誉欲もなく、戦争をせず、過去に固執したり迎合したりせず、自らを潔く受け容れ、命ある限り精一杯に生き、最後は静かに死んでいく犬たちです。そんな犬と人間を比較すると、
「犬の高潔さが、道徳的には圧倒的に優れている。」
と哲学者で東京大学名誉教授の一ノ瀬正樹氏は、おっしゃったそうです。
紀元前5世紀~紀元前4世紀に生きたディオゲネスですが、今から2,400年も前の遠い古代ギリシャの時代にも、そのように考えた一派(キュニコス学派=犬儒学派)が存在したのですね。「高潔に生きる」ことの意味を考えさせられる人物でした。真似は出来ませんが、志を持つ事なら少しは…。
※画像は、今年5月に15歳で虹の橋を渡った我が家の愛犬チョコが4歳の時の1葉です。大分の焼酎「いいちこ」のお湯割りに、鼻を近づけたシーンです。私を幸せにしてくれた相棒です。